花を長持ちさせることができることで、人気のプリザーブドフラワー。利用している人の中には、専門的な加工が必要で、自分で作るのは難しいと思っている人もいますよね。

 

実はプリザーブドフラワーは、家でも作ることができるのです。自分で作ると、花の種類を選べたり、100均などでも、材料が揃えられたりするので安価に作ることもできます。
今回はそんなプリザーブドフラワーの作り方を紹介していきます。

 

プリザーブドフラワーを作ることは可能?

花を長期間楽しむことができるように、加工を行っているプリザーブドフラワーは、仏花やブーケに利用したり、プレゼントしたりして送るという人も増えています。ですが、プリザーブドフラワーを作るには特別な加工が必要です。

 

ちょっとした材料さえ集めてしまえば、自分で作ることも可能なので、たとえば、自分がもらった花束を長期保存したり、仏花やブーケを利用したりすることがあります。

 

プリザーブドフラワーの作り方

バラ

ここからはプリザーブドフラワーの作り方を4段階で紹介していきます。

step1.必要なものを用意する

プリザーブドフラワーを作るためには、加工する花、加工作業に必要な道具、花を処理する薬品といったものが必要になります。ものによっては100均でも購入することができます。道具と薬品は以下のようなものが必要になります。

必要な道具

はさみ:花の下処理に必要です。
ピンセット:花をプリザーブドフラワーに加工すると、壊れやすくなります。そのため、壊さないように花に触れるのに必要です。

ゴム手袋:薬品を使用するため、手を保護するために必要です。

 

必要な薬品

・消毒用エタノール:花の脱水や脱色を行うのに必要です。
・グリセリン:花を脱水した際に、本物の花びらの触感を残すために必要です。
・シリカゲル:乾燥剤として使用します。

 

step2.脱水・脱色をする

プリザーブドフラワーを作るときには、花を長持ちさせるために脱水・脱色処理を行う必要があります。そのために、プリザーブドフラワーにしたい花をエタノールに浸し、1日置いて、花の脱水、脱色を行います。

 

このとき、エタノールが蒸発してしまうので、時間がたつと量が減ってしまいます。それを防ぐためにも、蓋つきの容器を利用するのがおすすめです。花を浸す時間はあくまで目安なので、途中で様子を見たりして、時間を調整しましょう。

特に色の濃い花の場合には、脱色にも時間がかかるので浸す時間が長くなります。

 

step3.着色する

脱水・脱色の工程が終わったら、花に着色をしていきます。わざわざ色を抜いたのに、なぜと思う人もいるかもしれません。この着色の手順は、プリザーブドフラワーを生花のように見せるためには非常に重要な工程なのです。

その手順は以下のようになります。

 

①グリセリンを用意し、グリセリン:水を2:1の比率で混ぜる。

②①で用意したグリセリン溶液に、使用したい着色料を加える。

③より花に染み込みやすくするために、グリセリン溶液を35度程度まで温める。

④温めたグリセリン溶液にプリザーブドフラワーにする花の茎をつけ、1日程度置いておく。

 

step4.乾燥させる

最後に加工した花を乾燥させます。シリカゲルを容器の中に敷き、その上に加工した花を置くことで乾燥させます。

なお、シリカゲルを使用せずに自然乾燥で行うこともできますが、時間が長くかかったり、色が悪くなってしまったりと、いったことが起きてしまいます。

 

早くきれいなプリザーブドフラワーを作りたいときには、シリカゲルを利用して乾燥させるようにしましょう。また、直射日光やドライヤーの風を当てて急いで乾燥させてしまうと、花びらが欠けてしまうこともあるので注意しましょう。

 

プリザーブドフラワーを使ったアイデア

リース

ここからは、実際にプリザーブドフラワーを使って作られたインテリアなどを紹介していきます。

 

リース

リースはただのインテリアとして見られることも多いですが、実はヨーロッパでは魔除けとしても使われています。リースは輪っかのため、終わりの部分がありません。そのことから、「永遠」という意味を持っています。

 

そんなリースにプリザーブドフラワーを組み込むことで、華やかさだけでなく、メッセージに花言葉も加えることができます。

プリザーブドフラワーは、本来なら枯れてしまう花びらを、長く楽しめるように寿命を長くするものでもあるので、その永遠という意味にも合っているのではないでしょうか。

 

コサージュ

プリザーブドフラワーをコサージュにすることで、アクセサリーにすることもできます。花は枯れてしまうので、なかなか身につけるものとしては使用できませんが、プリザーブドフラワーならそれが可能です。

 

誕生花をコサージュとして使うのもおすすめです。また、季節問わずに使うこともできるので、季節の花でなくても服装と合ったものを選ぶことも可能です。

 

壁掛け

プリザーブドフラワーなら、花瓶などに飾るだけでなく、額などに入れて壁掛けとして飾ることもできます。生花の場合は水につける必要があるため、花瓶などが必要になってきます。そのため、飾る場所が限られてきます。

ですがプリザーブドフラワーの壁掛けならば、直射日光に当てないなどの注意点さえ守っておけば、場所を問わずに飾ることができるのです。

 

フォトフレーム

プリザーブドフラワーはフォトフレームと組み合わして使うことも多いです。プリザーブドフラワーを使うことで、飾る写真をさらに彩ることができます。

 

写真を撮ったときに関係ある花がある場合には、そのプリザーブドフラワーのフォトフレームを使うことで、より思い出が鮮明なものになり、見るだけでその光景を思い出せるようにもなります。

 

プリザーブドフラワーを作るときの注意点

加工に向かない花がある

すべての花がプリザーブドフラワーにするのに、向いているというわけでは、ありません。なかには作る難易度が非常に高いものや、そもそも向いていないものもあります。手作りだと、市販品に比べてどうしても品質も落ちてしまいます。

 

また花びらが少なく、花びらが散りやすい桜、梅などや花びらが薄いハイビスカス、スイートピーは加工しにくい花なので、花を選ぶときは、加工しやすい花を選びましょう。

 

花びらに直接着色しない

プリザーブドフラワーの着色をする際には、グリセリンを利用するようにしましょう。

グリセリンは、脱水によって乾いた花が水の代わりに吸収し、生花のような質感を保つ役割があります。グリセリンを使わずに着色料のみを使って着色してしまうと、花の潤いや質感がなくなってしまいます。

 

その際は、花びらに直接つけて着色しないようにしましょう。茎から吸収させる分には大丈夫ですが、花びらに直接つけてしまうと、乾燥時に花びらが腐ってしまう可能性がありますので注意してください。

 

鮮度の低いお花は使わない

プリザーブドフラワーを作る際には、花の鮮度も大切です。その理由は、鮮度の悪い花は、加工を行っている際に花が欠けたりしてしまい、失敗の原因になってしまうためです。

プリザーブドフラワーの加工では、脱水などを行う関係で、どうしても花びらが脆くなってしまいます。

 

新鮮な花なら、ある程度の強度を持っているので、加工中に破損しにくいですが、鮮度の低い花の場合は、元から強度が弱く、ちょっとしたことで花びらが欠けてしまいますので、使わないようにしましょう。

 

まとめ

プリザーブドフラワーは自分で作ることもでき、自分の好みのものを作ることができることもあり、人気が高まっています。専用のキットなども販売されていて、手も出しやすくなっているので、初めて見たという人も多いです。

 

市販のものと比べると、どうしても品質は落ちてしまいますが、少しのことに気をつけることで、品質を上げることも可能です。

自分の好みの花でプリザーブドフラワーを作り、思い出の花などを保存してみてはいかがでしょうか。