お菓子や香料としての印象が強いバニラ。実は自宅で観葉植物として育てることが出来るのです。人気が高く、長く育てて実をつければあの豊潤で甘い香りを楽しむことが出来ます。では、実際にバニラを育てるときはどんなことに気を付ければよいのでしょうか。また、プレゼントする際にはどんな形が喜んでもらえるのでしょうか。気になる情報をまとめていきます。
バニラってどんなお花?
バニラにはアイスクリームや香水、シャンプーなど様々なイメージがあるかと思います。天然由来の成分として活用されることが多いバニラの花。実際にバニラの花を目にしたことがある人は少ないかと思います。甘い香りのバニラですが、花自体の香りはほとんどなく、寿命が短いことが特徴で、花に稔った実がバニラビーンズの原料となるのです。この記事では、バニラの花の種類から育てる際のポイント、バニラの花をプレゼントするときのおすすめの方法まで詳しく解説していきます。
バニラのお花は主に2種類!
バニラの種類をすべて見ると100種類以上あるとされています。その中でも自宅で育てやすく、ガーデニングが趣味の人から人気を集めているのがバーボンバニラとタヒチアンバニラです。この2種類のバニラにはどのような違いがあるのでしょうか。具体的にご紹介します。
バーボンバニラ
私たちの生活の中でも使用されがちなメキシコ原産の品種です。カスタードクリームやアイスクリームに使用されるほど甘い匂いが特徴で、その匂いからキャラメルを連想する人も多いようです。1800年代にフランスから移植され、大規模農園で栽培が始まったことから広く普及したといわれています。
タヒチアンバニラ
バーボンバニラと比べて、濃厚で芳醇な香りが特徴のタヒチアンバニラ。アニスやムスクに似た香りと感じる人が多いようです。タヒチに持ち込まれ、その土地で変異したバニラの品種ということでこの名前が付けられています。バーボンバニラと比べて生産が困難であることから、タヒチアンバニラを原料に作られた香料などの天然由来成分はやや高価な傾向にあるようです。一流ホテルやレストランで好んで使用され、多くのパティシエがクッキーやケーキを作る際に使用しています。
バニラを元気に育てるポイント
ガーデニングや屋内での観葉植物として人気が高いバニラ。花の寿命は短いといわれていますが、できるだけ長く元気に育てるためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。バニラの行き場所や水やりの方法、害虫対策まで項目ごとに説明していきます。バニラを育てる前に確認しておきましょう。
日当たりの良い場所で育てよう
バニラの原産国は暖かい中央アメリカです。そのため寒さに弱く日陰で栽培することはNGです。できるだけ日当たりの良い場所で栽培し、室内で観葉植物とする際には常に日が当たっている窓際などに設置することがおすすめです。また、屋外で育てるより室内で育てるほうが長持ちするとされています。簡単に移動できるように大きめの植木鉢に移し替えて育てましょう。室内に常に日の当たる場所がなくとも、移動できるようにしておくことで日の差す動きに合わせて、設置場所を適宜変更することが重要です。あまりにも日が当たりすぎると葉焼けの原因につながるため注意しましょう。
水やりはたっぷりと
バニラは高保湿な環境で良く育ちます。そのため毎日たっぷり水やりを行うことが大切です。土性は保水性が高い水苔を使用すると良いでしょう。水苔はホームセンターなどで比較的安価に入手することが可能です。水苔が常に湿っている状態を維持し、水を足すときは霧吹きを使用することで均等に水苔を湿らせましょう。水苔の保水性は気温が低下することで弱くなってしまうため、室温が低下しがちな冬は特に注意が必要です。「水やりと合わせて肥料を与える必要はないのか」と疑問に思いがちですが、液体肥料を2週間に1回与える又は、暖効性化成肥料を2~3ヶ月に1回与える程度で大丈夫です。肥料を与えすぎることがバニラの寿命を短くすることがあるので気を付けましょう。
害虫には気を付けよう
バニラを室内で育てる際には害虫の心配はほとんどありません。室温や湿度に対する配慮が優先され、「低温+乾燥」または「高温+多湿」のどちらかを保つように心がけましょう。気温が低くなる冬場には葉に斑点性の病気が発現することがあります。これは、室内の温度を暖かくすることで防ぐことが出来ます。一方屋外でバニラを育てる際にはアブラムシやハダニ、ヨトウムシなどの害虫に注意が必要です。市販の殺虫剤で対処できる程度の害虫なので過度な心配は必要ありませんが、見つけた際には速やかに対処することが大切です。
バニラをプレゼントするのにおすすめの方法
バニラの花言葉は「永久不滅」です。これはバニラの豊潤で甘い香りからつけられた花言葉であり、友人や恋人など大切な関係の人にプレゼントしたいと考える人が多いようです。バニラは花をプレゼントするというより、観葉植物として苗や葉をプレゼントとして使用する傾向にあります。できるだけきれいな状態でプレゼントしたいときにはどのような方法を取ればよいのでしょうか。
花束
バニラの花を花束の一部にすることもありますが、つるのような葉を花束に組み込むことが多いようです。花束には花だけでなく、葉を使うことで彩りが豊かになります。バニラの葉を使ってアレンジしてもらった花束をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
アレンジメントフラワー
花束ではなく、箱やかごを使って花を配置しそのまま飾れるプレゼントをアレンジメントフラワーといいます。フラワーアレンジメントでもバニラの葉がよく使われ、全体のバランスをとったり、彩りを与える役割を果たしています。バニラの葉は特に立体的な表現ができるため、アレンジメントフラワーを頼む際にはぜひ取り入れてもらうと良いでしょう。
ブリザーブドフラワー
生花の美しい状態を長く保ちプレゼントとしても人気が高いブリザーブドフラワー。結婚式や誕生日の時にもらった経験がある人も多いのではないでしょうか。枯れることがないため、インテリアとして家に飾る人も多いようです。残念ながら、バニラはブリザーブドフラワーとしてはあまり使用されないようです。苗を小さな鉢でプレゼントする、花束に使うなどのほうがきれいな表現が楽しめるため、そちらをおすすめします。
まとめ
ここまでバニラの種類や栽培方法、おすすめのプレゼント方法まで詳しく解説してきました。お菓子や香料としての印象が強いバニラ。観葉植物としても人気が高いため、今後新たな観葉植物の栽培を検討している方にはぴったりの植物でしょう。育てる際にはこの記事を参考にしていただけると幸いです。