お彼岸の花を選ぶとき、どんな花を選べばいいのか悩んでしまいますよね。そんな方へ向けて、この記事では、お彼岸の花の選び方とマナーを紹介します。お彼岸における花の選び方を詳しく解説し、おすすめの花とお彼岸の花の配送方法についても説明します。お彼岸の花を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

 

お彼岸とは

お彼岸は年に2回、3月の春彼岸と9月の秋彼岸があります。それぞれ春分の日、秋分の日を中日とした前後3日間、計7日間ずつが期間とされています。

 

「彼岸」の言葉の由来は、サンスクリット語の「波羅密多(パーラミータ)」からきているとされています。「波羅密多」は「到彼岸(とうひがん)」を意味するもので、この世である此岸(しがん)にある者が、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の修行を経て、すなわち「彼岸」(悟りの世界)の境地へ到達することができるというものです。

 

お彼岸にすること

お彼岸にすることは、先祖への感謝の気持ちを表し、仏教の教えに基づいた供養をすることです。

 

具体的に挙げると、

 

・お墓参りをする

・仏壇にお供え物をする

・お経を読む

 

などが挙げられます。また、家族や親戚と一緒にお墓参りをすることで、先祖との縁を深め、家族の絆を強めることもできます。

 

お彼岸は、春分と秋分の日を中心に行われますが、地域や宗派によっては時期が前後することもあります。また、仏教以外の宗教や信仰でも、先祖供養の風習がある場合があります。何より一番大切なことは、故人を思い出し、心を込めて供養することです。

 

お彼岸に用意する花はどう選ぶ?

お彼岸にお墓参りや先祖供養のために花を用意する場合、「この花でなければダメ」というルールはありませんが、一般的には以下のようなポイントに注意して選ぶと良いでしょう。

 

故人が好きだった花を選ぶ

故人が好きだった花を供えることは良いことと言われています。しかし、故人の好きな花がタブーに触れてしまう花である可能性もあります。後述しますが、たとえばトゲのある花、バラなどには注意が必要です。

 

タブーに触れることが不安であれば、花屋さんにお供え物だということを伝えれば対処してくれるでしょう。

 

花言葉で選ぶ

花選びに迷っており、故人が好きだった花が特にない場合などは、花言葉で選ぶのも良いでしょう。

 

例えば、仏花の定番の菊であれば「ご冥福をお祈りします」という花言葉です。また、リンドウであれば「あなたの哀しみによりそう」という花言葉ですので、故人への思いを込めてお供えすることができます。

 

故人のことを思い出しながら、季節やお住まいの地域の花の花言葉を調べて選ぶと良いでしょう。

 

お彼岸におすすめの花の種類

故人を偲ぶために、お彼岸におすすめの花をいくつか紹介します。

 

キク

お彼岸に菊が選ばれる理由は、古くから秋の花として親しまれ、菊の花言葉に「清らかな心」「永遠の愛」などがあることから、故人を偲ぶ花として選ばれるようになったとされています。また、菊は日本の国花であり、日本文化において非常に重要な役割を果たしています。そのため、菊がお彼岸に選ばれることも、日本文化の中での伝統や風習として深く根付いていると言えます。

 

ユリ

ユリは故人を偲ぶ花としても人気があり、ユリの花言葉に「再生」「生命力」「清らかな心」などがあることから、故人を偲ぶ場面でも使われることがあります。また、ユリは美しい花姿や華やかな香りがあり、花束やアレンジメントにもよく使われます。

 

ただし、ユリの花粉が石や服につくとなかなか取れないため、注意が必要です。お墓に供える際は花粉を落としてから使うようにしましょう。

 

カーネーション

カーネーションは長持ちする花の代表です。さらに「愛情」「母の愛」「純潔」などの花言葉があり、お彼岸のお供えの花として人気があります。また、カーネーションは美しい色合いや形状があり、花束やアレンジメントにもよく使われます。

 

白や淡い色のカーネーションをお供えすれば、お墓に優しげな雰囲気をもたらしてくれるでしょう。

 

マーガレット

春のお彼岸なら春らしく淡くやさしい雰囲気のマーガレットを選ぶと良いでしょう。

 

マーガレットには「真実の愛」「信頼」という花言葉があり、それらの意味から故人を偲ぶ場面で使われることがあります。

 

ボタン

ボタンもマーガレットと同じく、春らしいやさしい雰囲気の花です。また、ボタンは春彼岸の時期にいただく「ぼたもち」の由来にもなっています。

 

そんな風習の由来となった花を供えるのも良いでしょう。

 

 お彼岸にお供えする花のマナー

お彼岸にお墓参りをする際にお供えする花には、地域によって異なる風習や習慣がありますが、一般的なマナーは以下のようになります。

 

まず、トゲ・ツル・毒がある花は避けましょう。トゲは攻撃性の象徴と捉えられることもあり、故人への失礼とあたる場合もあるためです。続いてツルは、何かに絡みつく様子が成仏できない様子にも捉えられるため、お供えの花には不向きです。最後に毒も、故人への失礼となる場合があるため、避けるようにしましょう。

 

また、花は新しいものを選び、傷んでいたりしおれているものは避けましょう。また、できるだけ季節感のある花を選ぶことが好ましいです。お供えする際には、花瓶に生ける場合と、花立てに挿す場合があります。花立てに挿す場合は、花立てを奥深くに挿すようにし、倒れたり飛んでいかないようにしっかりと固定することが重要です。

 

また、お墓参りをする前に、手を合わせて故人にご挨拶をし、花を供えましょう。お墓参りが終わったら、花は散らさないように持ち帰り、適切に処理するようにしましょう。故人に対する敬意を忘れず、丁寧な心でお墓参りをしましょう。

 

お彼岸の花は造花がいい?生花?

一般的には、宗教上の理由や家のしきたりなどがなければお彼岸の花は生花と造花のどちらを用いても問題ありません。

 

近年ではお供えの花に造花を用いる方も増えています。造花のメリットとしては、枯れないのでお墓を汚さない、花の費用を抑えることができる、などが挙げられます。

 

しかし、造花は生花ならではの香りはなく、どこか人工的な雰囲気を出してしまいます。造花・生花の短所・長所を見極めて選ぶと良いでしょう。

 

 お彼岸の花、送るならいつ?

お彼岸にお供えする花を贈る場合、お墓参りや法要の日にちに合わせて贈ることが一般的です。ギリギリになって慌てないよう、彼岸の入りの午前中までには届くよう手配しましょう。

 

また、お彼岸前に贈る場合は、故人を偲んでの贈り物であることを意識し、喪中でない相手にのみ送るように心がけましょう。贈る花については、故人や家族の好みや地域の風習に合わせて選ぶことが大切です。

 

まとめ

お彼岸にお供えするお花を紹介しました。一番大切なのは、故人を偲ぶことです。気持ちよくお彼岸を迎えられるよう、早めに準備を進めましょう。

 

花の種類によって意味や象徴的な役割が異なるため、故人を偲ぶのに最適な種類の花を選ぶことが必要です。季節の花、地元の花を選ぶことは、故人を偲び、思い出を残すのに最適な方法です。

 

一輪の白いユリは謙虚さや弔意を、十数輪の元気なひまわりは、故人がもたらした明るい思い出を連想させます。故人が好きだった花があれば、それを選ぶのもよいでしょう。故人が生前、ガーデニングに凝っていたのであれば、その庭に咲いていた花で、植物を大切に育てていたことに敬意を表しましょう。

 

埋葬場所とは別の場所で葬儀を行う場合でも、花を供え、故人を偲ぶ気持ちを表すことで、故人がその人を知るすべての人に与えた多大な影響を美しく思い起こさせることができます。