今回は、バラの挿し木についてご紹介します。ご自宅で育てて大きくなってきたバラや、切り花でも新鮮なものであれば挿し木できる場合があります。バラの挿し木に必要な物や手順、注意事項などについても詳しく解説していきます。

バラの挿し木に必要なもの

バラの挿し木に必要な物は、以下の5つです。

 

  • バラの挿し穂
  • 種まき・挿し木用土
  • プランター
  • 発根促進剤
  • カッターナイフまたは選定はさみ

 

バラの挿し木の方法を紹介

では早速、バラの挿し木する方法をご紹介していきます。

 

挿し穂をつくる

花が終わり、花をカットした茎を3〜4節下の箇所でカットします。切った茎の切り口は、斜めにカットした方が根が出る面積が多くなるため、発根しやすくなります。選ぶ枝は、今年伸びたもので元気のある枝を選びましょう。

 

次に、先端に近い葉を2セット程度を残して、残りの葉は落とします。葉を少なくしておくことで、葉からの水分の蒸散を防ぐことができます。葉を全部落としてしまうと、光合成ができずに栄養分が作れないため、2セット程度は残しておきましょう。

 

斜めにカットした面に発根促進剤を塗布し、挿し穂の完成です。可能であれば、この挿し穂は何本か準備しておくと、成功率が上がります。

 

土をつくる

挿し穂の準備ができたら、挿し木をする土を作ります。使用する土は、ホームセンターで販売されている種まきや挿し木用の土を使用すると良いでしょう。

 

挿し木用の土は、軽く粒と粒の間の空間が空きやすい構成の土で、根が出てきた時に圧迫せずにのびのびと成長できる様に作られています。自分で土を作る場合には、パーライト7:ピートモス3程度が良いでしょう。

 

水あげする

挿し穂と土は完成しましたが、挿し穂にもうひと手間加えてから土に植えるとより成功率が上がります。コップや空き瓶などに水を入れ、そこに先程作った挿し穂を浸けます。

 

水には珪酸塩白土を少し入れておくと、水が腐敗せず発根にも良い影響があると言われています。この水あげは10〜30日程度、個体差によりますがかかります。その間、日陰で管理するようにしましょう。

 

直射日光が当たる場所に置いてしまうと、葉から水分が蒸散してしまい、挿し穂の体力が失われてしまいます。順調に発根の準備が進めば、切り口の面が少しぼこぼことしてきます。それは発根の前段階なので、この段階で土に挿せば、より発根しやすくなります。

 

土に挿す

しっかりと水あげをした挿し穂を土に植えましょう。あまり浅いと、姿勢が安定せずに倒れてしまうため、姿勢を保てる程度の深さで土に挿しましょう。この時、あらかじめ土は水で濡らしておき、割り箸などで挿し木する場所に穴をあけておくと、発根面を傷つけずに植えやすくなります。

 

鉢の植え替えのタイミングまでは、肥料等は使用せずに水だけで育てます。つい液体肥料などを使用したくなりますが、根が安定しない間は肥料の栄養分が負担になってしまうため、栄養を与えたい気持ちをぐっと堪えて水だけ与えましょう。

 

土に挿した後、経過を見ていると葉が黄色くなってきた場合は挿し木に失敗してしまったサインです。何本が同時に挿し木をしておくと良いでしょう。

 

植え替えする

挿し木がうまく枯れずに成功すると、2ヶ月ほどすると新芽が残しておいた葉の枝元から出てきます。この時期はまだ根がとても柔らかいため、根をあまり触らず、傷つけないように植え替えをしましょう。

 

土を根の周りに漉き込む時も、根をあまり刺激しないように、ゆっくりと周りから土を根の周りに入れていきます。植え替え後からは、本格的に栄養分を吸って成長していきます。

 

そのため、挿し木したバラの種類によって、適した土が異なるため、用土についてはお花屋さんなどのプロに相談してみましょう。

 

また、バラは害虫がつきやすい品種のものも多くあります。植え替えをする時には、土に混ぜ込むタイプの防虫剤を入れておくと安心です。その他、スプレータイプの防虫剤も販売されていますので、可能であれば散布して予防しましょう。

 

バラの挿し木をしよう!注意点を紹介

バラの挿し木の方法について一通りご紹介しました。ここからは、挿し木を行うにあたっての注意点をご紹介していきます。

 

適切な時期を選ぶ

バラの挿し木に適した時期は、5月後半〜7月、真夏、9月中旬〜10月頃です。湿度が高い時期の方が、葉からの蒸散が少なくて済むため挿し木の成功率は上がります。真夏も適当な時期ではありますが、ここ近年の日本の夏は酷暑で暑さが厳しいため、室内で管理する方が良いでしょう。しかし、可能であれば真夏以外の適した時期に挿し木する方が無難かもしれません。

 

元気な新しい枝を挿し穂を選ぶ

挿し穂に選ぶ枝は、しっかりと張り葉も元気な枝を選ぶと良いでしょう。細い茎の部分よりは、しっかりと太く張っている茎の方が発根しやすい挿し穂を作れます。挿し穂にすり枝が弱っていると発根する力が無く失敗してしまいます。葉の色が良くない枝や、徒長して伸びてしまっている枝は挿し木には向きません。

 

土を工夫する

土は、目がつまりにくいやや大きめの粒の土を使用するようにします。土が詰まってしまうと発根しても伸びる空間が無く上手く成長できません。

 

赤玉土や鹿沼土の小玉を使用するのも良いでしょう。市販の園芸用土などを使用するのも悪くはないですが、一般的な園芸用土には元肥が入っています。

 

肥料が入っていると、土に細菌が発生しやすいため、赤玉土や鹿沼土などの無機質なもの、挿し木用に販売されているものを使用するほうが良いでしょう。

 

水切れしないようにする

挿し木の管理は、水切れさせないことも大きなポイントの1つです。根が無い状態では効率良く水分の吸収ができないため、どうしても水切れしやすくなります。底面給水と呼ばれる方法で管理すると、水切れの心配も少なくなります。

 

鉢の底よりも少し大きな容器に浅く水を張り、そこに鉢を入れます。鉢の底から1cmほどの高さ程度が浸かった状態で管理すると、ゆっくりと土が水分を吸収し、水切れの先輩がありません。

 

張っている水は2〜3日程度に1度取り替えるようにしましょう。置く場所は直射日光の当たらない日陰で、葉からの蒸散を抑えられる環境で管理します。

 

失敗しても諦めない

挿し木には失敗はつきものです。同じ環境で管理していても、枝の個体差など失敗してしまう場合も多くあります。

 

しかし、あきらめずに続けてみることが大切です、挿し穂をいくつか準備して、成功率を上げるなどして挑戦してみましょう。

 

まとめ

 

バラの挿し木の方法についてご紹介しました。簡単そうに見えて、実は難しい挿し木ですが、ホームセンターなどで揃う材料で挑戦できるため、きれいなバラを増やせたら嬉しいですよね。

 

ぜひ、こちらの記事を参考にバラの挿し木に挑戦してみてください。