紫陽花を玄関先やベランダなどで鉢植えにして育てている方も多いのではないでしょうか。紫陽花は、鉢植えでは定期的に植え替えが必要です。しかし、鉢を大きくしていくとその分スペースも必要なうえ、重さも増し手軽にお世話ができなくなることもあります。今回は、同じサイズの鉢に植え替えをする方法をご紹介します。

 

鉢植えのアジサイの植え替え前に準備するもの

 

では早速、鉢植えの紫陽花を植え替えるために必要な物をご紹介していきます。

 

  • ・剪定ハサミ
  • ・鉢底ネット
  • ・鉢底石
  • ・用土
  • ・園芸用スコップ
  • ・ジョウロ
  • ・植え付け時用元肥
  • ・防虫剤

 

紫陽花は、排水性の良い土を好みます。土はホームセンターなどで販売されている園芸用土でも構いませんが、その際赤玉土と園芸用土を半分ずつくらいで混ぜ合わせましょう。そうすることで、園芸用土だけで植えるよりも排水性が高まり、紫陽花にとって良い環境になります。

 

また、紫陽花は土の酸度によって花の色が変わります。ピンク色のお花を咲かせたい場合は腐葉土を足しアルカリ性に近づけ、青いお花を咲かせたい場合はピートモスを用土に加えて酸性に傾けると良いでしょう。

 

鉢底ネットや底石は植え替え時に劣化していたり、足りない場合に追加する必要がある場合に使用します。

 

防虫剤は、植え替え時には土に混ぜ込んで使える粒状のものがおすすめです。紫陽花を害虫被害から未然に守ってくれるため、可能であれば使用したほうが良いでしょう。

 

鉢植えのアジサイの植え替え方法

ここからは植え替えの手順を解説していきます。

 

剪定をする

紫陽花を植え替える前に、咲き終わったお花や大きく伸びた枝や混み合っている箇所の枝を剪定します。植え替え前に剪定することで、枝もコンパクトになり植え替え作業がしやすくなります。

 

しかし剪定する際、注意しなければならないポイントがあります。紫陽花の花はその年に花をつけた枝には来年花は咲きません。そのため、剪定するのは今年花が咲いた枝を剪定しましょう。剪定する場所は枝の先から2節程度下を切ります。その他、混み合っていたりバランスの悪い枝を少し落とす程度にとどめます。

 

アジサイを鉢から抜く

剪定が終わったら、植わっていた鉢から根鉢を抜きます。株元を手で抑えながら、鉢を逆さにしてゆっくりと取り出します。枝が折れたりすると大変なので、無理なく少しずつ取り出しましょう。

 

鉢・鉢底網・鉢底石を洗い、セッティングしなおす

根鉢を出したら、鉢底ネットや底石を根鉢から分けて水で洗い、元の位置に戻します。この時、鉢底ネットが劣化している場合は新しいネットに取り替えます。

 

鉢底ネットは虫の侵入を防ぐためにも、穴が空きそうだったり割れてしまいそうな場合は迷わず取り替えましょう。

 

培養土と元肥を入れる

鉢底ネットと鉢底石をセッティングしたら、用土と元肥を入れます。元肥は植え付け時に土に混ぜて使用するもので、ゆっくりと長く効果を発揮するものです。特に植え替えの場合は、元肥を入れることで根にダメージを与えずに栄養を吸わせることができるため必ず入れましょう。液体肥料などは植え替え直後は刺激が強いため避けた方が無難です。

 

この段階では、用土は鉢底石の上に少し入れておく程度にします。あまり入れすぎると後で根鉢を戻した際に納まらなくなってしまいます。

 

根鉢の周りを切り取り整える

同じ鉢に植えるために、取り出した根鉢を切り取り一回り小さくします。根鉢の外側の側面、底を切り取ります。切り取る部分の目安は側面と底から指2本分の幅程度です。

 

指2本文の幅を外周をのこぎりや鎌を使用してぐるりと切り取り、底も一番下から指2本文の高さを切り取りましょう。あまり大きく根を切り取ってしまうと、根がダメージを受け、栄養分をしっかりと吸収できなくなる可能性があるので切りすぎないように気を付けます。

 

アジサイと培養土を鉢に入れる

根鉢が一回り小さくなったら、用土とともに鉢に戻します。一回り小さくした根鉢の周りにしっかりと用土をすき込み、隙間なく植え付けます。株元や表面の土が痩せていたりする場合は、表面にも新しい土を入れてあげましょう。

 

水やりをする

鉢に植え付けたら、最後に水やりをします。鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげましょう。水やりの際は株元からゆっくりと水をあげるようにします。

 

アジサイの植え替えでよくある質問

紫陽花の植え替えについて、手順は少しイメージできたでしょうか。ここからは、よくある質問について解説します。

 

アジサイはどうして植え替えしなければいけないの?

紫陽花は根の張りが非常に旺盛で、鉢植えの場合には根が張りすぎて詰まってしまう「根詰まり」を起こしやすい植物です。同時に土も劣化し、栄養分も少なくなっていきます。そのため、様子をみて一回り大きな鉢に植え替えるか、同じサイズの鉢に根鉢を小さくして植え直す必要があるのです。

 

基本的には、紫陽花などの落葉低木の場合には2年に1回植え替えが必要だと言われています。植え替えが必要だと判断する基準は、水やりをしても土が水を吸いにくい、花つきが悪い、葉に元気が無い、などがあります。このような状態が見られる場合は、前回の植え替えからの期間も考慮して植え替えの必要性を検討しましょう。

 

反対に、前回の植え替えから1〜2年以上経過していても、先程のような様子が見られない場合は無理に植え替えをする必要はありません。

 

アジサイの植え替えはいつ行うべき?

植え替えを行うタイミングは、花が終わった7月、休眠期である11月から12月の間が良いでしょう。花が終わり、剪定と同時に植え替えを行うと来年咲く枝を間違えて落とすことも少なくおすすめのタイミングです。

 

この時期はお花の後のお礼肥を施す時期でもあるため、新しい用土に元肥を入れてリフレッシュさせる意味でもメリットがあります。

 

ただし、近年の7〜8月頃は非常に暑さが厳しいため、屋外での作業は無理をしない方が良いかもしれません。11月から12月の休眠期でも植え替えは可能なので、秋の気候の良い頃に行っても良いですね。

 

アジサイの植え替えにかかる時間は?

紫陽花の植え替えにかかる時間は30分から1時間程度です。必要な物品などがしっかりとそろっていれば長い時間はかかりません。

 

まとめ

紫陽花の植え替えについてご紹介しました。日本の初夏を代表する花である紫陽花は、季節感を感じさせる素敵なお花です。

 

毎年美しく咲いてくれる紫陽花を、来シーズンも楽しみたいですよね。ぜひ植え替えをして、コンパクトで美しい紫陽花を毎年楽しんでみて下さい。