大輪のシャクヤクのイメージ

牡丹に似たシャクヤクは「つつましさ」や「はにかみ」など、素敵な花言葉を持っています。ピンクや白の花色があり、開花時期は4〜6月で5月の誕生花です。大輪の姿はとても見ごたえがあり、さまざまな品種が流通しています。今回はシャクヤクの花言葉と合わせて、育て方や栽培にまつわる疑問についてまとめました。

シャクヤクの基本情報

科・属 ボタン科・ボタン属
学名 Paeonia lactiflora Pall
和名 シャクヤク(芍薬) ピオニー
別名 花相(かそう)花の宰相 夷草(えびすぐさ)白犬 飲薬 将離
英名 Chinese peony
原産地 アジア北東部(中国 朝鮮半島 モンゴルなど)
開花期 4〜6月
花色 ピンク 白 赤 紫
耐寒性 強い
耐暑性 強い

シャクヤクは、中国やモンゴルなどが原産地の植物です。和シャクヤクと洋シャクヤクが存在し、花の咲き方は一重咲きや八重咲きなどがあります。根っこは漢方薬の原料に使われており、江戸時代の頃に鑑賞用として多くの人へ広まりました。最近では牡丹と掛け合わせた品種改良品もあります。

シャクヤクの花言葉とは

シャクヤクの花束を持つ女性のイメージ

シャクヤク全体の花言葉は以下の種類です。

 

  • 恥じらい
  • はにかみ
  • 謙遜
  • つつましさ

 

「恥じらい」や「はにかみ」の花言葉の由来は、イギリスに伝わる民話が元といわれています。「謙遜」や「つつましさ」などは、日が沈む頃に花が閉じる性質からという説や、「シャクヤクのように顔を赤らめる」という英語の慣用句「Blush like peony」から来ているともいわれています。

色別の花言葉

つぎはシャクヤクの花の色別の花言葉についてみていきましょう。

 

白:幸せな結婚 満ち足りた心

ピンク:生まれながらの素質

赤:誠実 威厳 荘厳

紫:怒り 憤怒

 

白・ピンク・赤の花言葉は、プレゼントとして受け取ったら心が暖かくなるでしょう。なかでも白はその内容から、ブライダルブーケとしても採用されており、女性に人気があります。

怖い花言葉があるって本当?

怖い意味を持つものはありませんが、近いものでいえば、紫の「怒り」「憤怒」が当てはまります。誰かへのプレゼントで花言葉も添える場合には、あまりおすすめできません。白・ピンク・赤などの花言葉が贈り物には適しています。紫のシャクヤクは、ほかの花とアレンジしたギフトに選んだり花言葉を伝えないでプレゼントするのがいいでしょう。

シャクヤクのお花を育てよう!

庭に咲いているシャクヤクのイメージ

シャクヤクは花壇や鉢植えで楽しめます。開花期間は短いものの、一生懸命に育てた花が咲くところを見るのはとても達成感があるでしょう。1輪でゴージャスなシャクヤクの育て方は難しくありません。ここではシャクヤクの育て方を紹介します。

水やり

庭植えの場合は、基本的に自然の天候に任せるだけで問題ありません。ただし、雨が降らない日があまりにも続くときは、適度に水やりしましょう。鉢植えで育てている場合は、土が乾いてからたっぷりと水をあげてください。どちらとも、水やりする時間帯は朝や夕方などの涼しいときがおすすめです。日が高いうちに与えてしまうと、水が温まってしまい根によくありません。

置き場所

日当たりがいいところが適しています。半日陰でも育ちますが、乾燥しているところは苦手な植物です。また植物にとって風通しはとても大切なポイントで、風の通り具合は必ず確認しましょう。夏の西日は強すぎるので、寒冷紗をかけるなどして西日に直接あたらないようにしてください。生育が思わしくないときは、置き場所の環境チェックをおすすめします。

肥料

植え付けや植え替えをした際に、元肥を土に混ぜておきます。固形肥料を与えるタイミングは、芽が出る前の春と花が咲いてからの梅雨の時期がおすすめです。しかし、肥料が多すぎても少なすぎてもよくなく、そうなってしまうと思ったように咲きません。固形肥料はゆっくり時間をかけて溶けて効いていくので、焦ってたくさん与えなくても大丈夫です。

冬越し

シャクヤクは耐暑性だけでなく耐寒性も高く、地植えでもそのまま冬越しできる丈夫な植物です。とはいえ、雪がたくさん降り積もる地域などの場合は、藁をかけたりと多少の寒さ対策が必要です。藁がない場合はビニールシートで株周りの土を覆っても構いません。水分の蒸発も抑えることができるので、乾燥から守ることもできます。

シャクヤクの植え方

植え付けに適した季節は秋です。花の咲き終わった9〜10月に行いましょう。株分けも同様です。株分けするときは、1株に3芽を目安に清潔なハサミでカットしてください。ハサミの使いまわしは病気がうつる可能性があるのでおすすめしません。

地植え

シャクヤクは1m近くまで育つ植物なので、少し大きめに50〜60cm程度の範囲で土を掘り、腐葉土や牛糞といった有機肥料を掘ったところに入れます。購入した株に乾燥防止のための水苔が巻いてある場合は、外してから植えましょう。被せる土は3cmほど株から盛っておきます。乾燥すると弱ってしまうので、植え付け作業は手早く行うのが大切です。

鉢植え

鉢植えの場合はひとつの株に対して、8号程度の鉢が適しています。また忘れずに、底に鉢底石を入れましょう。使用するのは一般的な花の土で問題ありません。一度植え替えしたら、次の植え替えは2〜3年後で大丈夫です。植え替えずに育てていると、根詰まりして育ちにくくなってしまいます。

シャクヤクのお花を育てるときによくある疑問

初めて育てる人は、とくにわからないことがたくさんあるかと思います。この項目では、栽培しているときによくある代表的な疑問についてまとめてみました。実際に育てるときや挑戦してみようかなと思っている人は、参考にしてみてください。

お花が咲かないときはどうしたら良い?

肥料不足だったり乾燥させすぎたりと、原因はいくつかあります。つぼみがついても咲かずにそのまま終わってしまうことは、シャクヤクに限らず少なくありません。葉を減らして肥料が行き渡るようにする、摘蕾といった対策を施しましょう。またつぼみのときに病気になると、これも咲かずに終わってしまいます。定期的に殺虫剤を散布するのが大切です。

何年でお花が咲く?

株が充実しており、前年の花芽を処分していなければ翌年も花が咲きます。肥料はしっかり与えているのに何故か咲かない場合は、植えている土の状態を確認したほうがいいでしょう。基本は同じところに植えっぱなしで数年育てていきますが、だんだんと土が痩せてきてしまいます。また株分けして株をリフレッシュさせるのもおすすめです。

お花が咲いたあとの管理方法とは

開花後は早めに花がらを取り除いていきましょう。そのままにしておくと栄養が株にまでいきわたりません。そのあとの株の充実度に影響がでるため、花が咲きにくくなりやすいです。また枯れた花をそのまま残しておくと、そこから病気が発生する場合もあります。きちんと手入れしていけば、また美しい花を咲かせてくれるでしょう。

まとめ

シャクヤクはガーデニングのほか、切り花にもおすすめで、お部屋に飾ればその場を豪華に演出できます。寒さと暑さに強くあまり環境を選ばないため、肥料を切らしたりしなければ綺麗な花を毎年つけてくれるでしょう。ぜひ栽培にもチャレンジしてみてくださいね。