お花の中でも代表的な品種であるバラは、プレゼントとして贈られることが多いため、フラワーアレンジメントや花束の花材として使われてるイメージが強いです。しかし、寒さや暑さに比較的強いため、日本の環境でも気軽に育てることができます。この記事では、初心者でもできるバラの上手な育て方について解説します。
バラの基本情報
バラの基本的な情報をご紹介します。
植物名 | バラ |
学名 | Rosa |
学科/属名 | バラ科/バラ属 |
原産地 | アジア・欧州・北アフリカなど |
花色 | 赤・白・ピンク・黄色・青など |
耐寒性/耐暑性 | 強い/強い |
開花期 | 4月〜11月 |
バラは古代から繁栄と愛の象徴として親しまれてきたお花です。日本を始めとするアジアを原産とし「ノイバラ、テリハノイバラ、ハマナス」の3種類を中心に、さまざまな地域で品種改良が行われています。そのため、バラの品種は非常に豊富で、認知されているだけでも200種あると言われています。花の王様とも言われるバラは、情熱的な花言葉があることから、プロポーズや恋人へのプレゼントとしても人気です。
バラの樹形
バラには沢山の品種があると紹介しましたが、大きく分けると以下の種類に分けられます。
- 木立ち性
- つる樹形
- 半つる性樹形
それぞれどんな特徴があるのでしょうか。バラの樹形について詳しくご紹介します。
木立ち性
木立ち性のバラは、支柱がなくても自立できるタイプのバラで「ブッシュローズ」とも呼ばれています。
茎は非常に硬く「木」と同じ役割を果たしているので、庭に植えたり鉢植えに植えることが多い品種です。非常に育てやすいので、初めてバラを育てる人に向いているでしょう。
木の高さは1m前後に調節ができるので、場所の確保が難しい人にも向いています。
つる樹形
つる樹形のバラは、枝が長く伸びるのが特徴で「つるバラ」とも呼ばれています。枝の長さは品種によって異なりますが、大体2m〜長いもので10mほどになるようです。支柱に巻き付けて育てる事ができるので、アーチやフェンスなどに沿わせて育てることができるでしょう。アレンジができるので、ガーデニングが好きな人に向いています。
半つる性樹形
半つる性樹形のバラは、木立ち性とつる樹形の特徴を兼ね備えたバラです。
根本はしっかりと自立することができますが、枝はつる樹形と同じタイプなので、アーチやフェンスに巻きつけることができます。しかし、つる樹形ほど枝が伸びないのが特徴で、大きくても2mほどだそうです。「シュラブ樹形」とも呼ばれていて、地植えガーデニングに人気があります。
バラの上手な育て方〜地植え〜
フラワーギフトとして目にすることの多いバラですが、地植えで育てることも可能です。地植えで育てることで、大きく育ちバラが持つ本来の魅力を存分に楽しむことができるでしょう。ここでは、上手な地植えでの育て方をご紹介していきます。
植え付け
バラを地植えで育てていくためには、まず植え付けを行う必要があります。
用意する道具は以下の通りです。
- バラの苗
- 底石
- スコップ
まず、バラの苗が入る大きさの穴を掘りましょう。苗から植え付けをする場合はそれほど大きな穴は必要ないですが、植木鉢から取り出して植え付けをする場合は大きな穴が必要になるので、シャベルなどで対応すると良いです。穴が掘り終わったら水はけを良くするために底石を敷きます。掘り返した土は、穴へ戻す前に培養土としっかり混ぜておきましょう。
苗を穴に入れたら、培養土と混ぜた土を戻して植え付けが完了します。
育てる環境
バラは耐寒性や耐暑性に強い植物なので、基本的にどこでも育ちます。ただし、湿気が多いと病気になったり害虫が増えたりするので、なるべく風通しの良い場所で育てるとよいでしょう。
また、日光を好むので最低でも1日4時間前後日差しが当たる場所が好ましいです。
水やり
バラを地植えで育てる場合は、毎日水やりをする必要はありません。地面が乾いたのを確認したら、たっぷりとお水を上げるようにしましょう。バラは湿気があまり得意ではないので、こまめにお水を上げ続けてしまうと弱ってしまう可能性があります。
また、真夏は直射日光で水が蒸発してしまうので、暖かくなる前の午前8時〜10時頃に水やりを行うと良いでしょう。
バラの上手な育て方〜鉢植え〜
バラを植木鉢で育てることによって、インテリアとして楽しむことができたり、過剰に増えることを防ぐことができます。また、移動することもできるので、育てる環境を季節ごとに変えることもできるでしょう。ここでは、上手な鉢植えでの育て方をご紹介します。
育てる環境
バラを鉢植えで育てる場合、風通しが良く日当たりの良い場所で管理しましょう。バラは陽性植物といって太陽の光を栄養にぐんぐん育っていくタイプなので、1日4時間以上直射日光に当てて育てるのが好ましいです。しかし、太陽の動きによって長時間直射日光を当てるのは厳しいという場合もあります。その場合は半日陰でも問題ありません。
室内で育てる場合は、日光が当たりやすい窓際で育てるか、可能ならベランダや庭に出してあげてください。
用土
バラを鉢植えで育てる場合、自分で土を作る方法と市販の土を使う方法があります。
バラに必要な成分を自分で入れて土を作ることもできますが、比率を間違えてしまうと上手にバラが育たないことがあるので、バラ専用の用土を使うのがおすすめです。
ホームセンターなどで販売しているので、気軽に手に入れることもできるでしょう。
水やり
バラは水がとても大切な植物です。そのため、土の表面が乾いているのを確認したら、お水をたっぷりあげましょう。ただし、どんなに水が好きだからといってこまめに水をあげすぎると「根腐れ」の原因になります。根腐れとは、バラの根が腐ってしまう病気で、水のあげすぎや風通しが悪いことが原因で起きる病気です。水やりの後に受け皿に溜まった水も根腐れの原因になるので、すぐに捨てるようにしましょう。
バラの育て方に関するよくある質問
バラを育てていくと、多くの疑問に突き当たるでしょう。なかでも多くの人が疑問に思う質問は以下の通りです。
- バラがかかりやすい病気はある?
- 冬越しはできる?
- 枯れてしまったらどうすれば良い?
それぞれを詳しく見ていきましょう。
バラがかかりやすい病気はある?
バラがかかりやすい病気は以下の通りです。
- 黒点病・・・葉に黒い点ができる病気
- うどんこ病・・・葉のうしろにうどんの粉をかけたような見た目になる病気
- 灰色かび病・・・花びらにカビが生える病気
これらの病気は、湿気が原因で起こることが多いです。そのため、病気にならないためにもなるべくバラを育てる環境を整えることが大切になります。特に水やりの頻度が多すぎたり風通しが悪いと引き起こりやすいので注意しましょう。
冬越しはできる?
バラは12月〜3月頃までは「休止期」という冬眠に入ります。バラ自体が寒さから身を守るために自ら冬越しを行うので、バラが最小限のエネルギーで冬越しができるように、お手伝いをしてあげましょう。
冬越しの前にやらなければいけないことは以下の通りです。
- 葉を全てむしり取る
- 全体的に2〜3分の1を残して全の枝を切り落とす
- 残った枝の中で弱っている枝や病気の枝も切り落とす
とにかく強く太い枝以外は全て切り落とすものと考えて剪定をしてください。
この段階である程度形を整えておくと、休止期のあとにきれいな形でバラを咲かせてくれるはずです。
枯れてしまったらどうすれば良い?
バラは枯れてしまったからといって終わりではありません。花が終わってしまったり枯れてしまった場合でも、手を加えれば2度目のお花を楽しむことができるので、以下の手順で対処しましょう。
- 花から数えて5枚目の葉上の1cmを残した当たりから剪定をする
- 肥料を与える
この手順を踏んでおけば、大体1ヶ月半程度できれいなバラを咲かせてくれるはずです。
なるべく早めに剪定することで、何度もお花を楽しむことができます。
まとめ
バラはプレゼントによく贈られるお花ですが、初心者でも気軽に育てることができることが判明しました。置き場所や水やりの回数に注意をしてバラを管理していきましょう。
また、バラは地植えでも鉢植えでも上手に育てることができます。品種によって咲かせるお花の色や形が異なるので、自分の好きなバラを育ててみてくださいね。