小さなお花が集まって1つの大きなお花に見える「ゼラニウム」。花の色や形が豊富なので、ガーデニングのアイテムとして非常に人気があるお花です。長く花を咲かせるイメージですが、育て方に気をつけるべきコツはあるのでしょうか。今回は、ゼラニウムの詳しい育て方について解説していきます。

ゼラニウムの基本情報

ゼラニウムとはどんなお花なのでしょうか。基本情報を見ていきましょう。

 

学名 Pelargonium
和名 天竺葵
英名 Geranium,Pelargonium
科名・属名 フウロソウ科・ペラルゴニウム(テンジクアオイ)属
別名 ペラルゴニウム
原産地 南アフリカ
開花時期 3月~12月上旬
耐暑性/耐寒性 普通・やや弱い

 

ゼラニウムは、フウロソウ科・ペラルゴニウム(テンジクアオイ)属の植物です。現在はペラルゴニウム属に属していますが、以前はゲラニウム属に属していたことが由来で「ゼラニウム」という名前が付けられました。

四季咲き性であるゼラニウムは、気温が適していれば一年中お花を楽しむことができます。

原産地は南アフリカなので、暑さには慣れている植物です。日本の夏でも問題なく育てることができるでしょう。ただし、耐寒性は弱いので冬に育てるには工夫が必要です。

初心者でもできるゼラニウムの育て方

ゼラニウムは適切な環境で育てれば、長い期間お花を楽しむことができます。そのため、基本的な育て方や育てる環境を細かく知っておくと安心です。

ここでは、以下の項目に分けてゼラニウムの育て方を解説していきます。

  • 育てる環境
  • 水やり
  • 肥料
  • 植え替え

それぞれを詳しく見ていきましょう。

育てる環境

ゼラニウムは1年を通して、風通しと日当たりの良い場所を好みます。基本的に直射日光を当てても問題はありませんが、真夏の西日は株を弱らせてしまう可能性があるため、なるべく避けてください。また、真夏は高温が原因で葉が白くなる現象が起こりやすいです。秋の涼しい時期になってくると自然に症状が改善するので、様子を見ながら育てていきましょう。

ゼラニウムは雨が当たり続けると葉や茎が腐ってしまうため、長雨が降る時期は屋根のある場所に移動させて育ててください。地植えの場合は、梅雨の時期までに切り戻しをしておくと良いです。切り戻しの方法は、のちほどご紹介します。

水やり

ゼラニウムは湿気をあまり好まないので、多湿の環境を作らないことが大切です。そのため、水やりは植木鉢の土がしっかりと乾いたのを確認してから行うようにしましょう。

地植えの場合は、自然の雨だけで育つことができるので水やりをしなくても大丈夫です。

しかし、雨が全く降らない日が続いて土の状態が悪いときは、水やりを行ってください。

肥料

肥料を与えるタイミングは以下の3回です。

  • 用土を作るとき
  • 春〜初夏

最初に必要になるタイミングは、ゼラニウムを育てるための土を作るときです。ゼラニウムがしっかりと育つように、土に元肥としてカルシウムと緩効性肥料を入れてください。

次に必要になってくるのが、生育が盛んになってくる春〜初夏までです。この期間は、ゼラニウムがグッと大きく成長したりお花を咲かせるタイミングとなるので、緩効性肥料を与えて成長を促します。秋の肥料も同じ理由で行います。

植え替え

ゼラニウムの植え替えは、真夏や真冬など株に負担のかかる時期以外は、いつでも大丈夫です。ゼラニウムの株が健康だと感じたタイミングで行うと良いでしょう。

植え替えは、ゼラニウムが根詰まりを起こしたり、根腐れしかかっているタイミングでやることが多いです。これらの症状は、放っておくとゼラニウムが枯れる原因になってしまうので、早めに植え替えを行うと良いでしょう。

ゼラニウムを挿し木で増やそう

挿し木は別名「挿し芽」とも呼ばれている方法で、文字の通り茎を挿してゼラニウムを増やす方法で、初心者でも簡単に行うことができます。

手順は以下の通りです。

  1. 切り戻した茎を10cmにカットする
  2. 2時間ほど吸水させる
  3. 挿し木用の土にカットした茎を植える

挿し木用に切り戻した茎は、半日〜2日程度かけて乾燥させたものを使ってください。挿し木のあとは、やや乾かし気味に管理をすることで茎が腐るのを防ぎます。2,3週間で新芽が出てくることが多いので、様子を見ながら1〜1.5ヵ月で本来の場所に植え替えをします。

大体挿し木から2ヵ月で花を咲かせることができるでしょう。

ゼラニウムには剪定が必要!その方法とは

ゼラニウムを剪定することによって、より元気に育てることができます。剪定と聞くと、ハサミを使用する方法を想像しがちですが、ゼラニウムはどのように剪定をしていくのでしょうか。ここでは2つの選定方法をご紹介します。

花がら摘み

花がら摘みとは、ゼラニウムにある不要な部分を取り除く作業です。小さいお花や黄色くなった葉などを摘み取ることによって、形状を整えることができます。また、定期的に取り除いていくことで、既存のお花たちにより良い栄養を行き渡らせることもできます。

ゼラニウムのお花が全て咲き終わったのを確認したら、根本から切り落としてください。

切り戻し

切り戻しとは、花を咲かせる位置を低くしてゼラニウムをコンパクトに見せる方法です。全体的な見た目が悪くなったり、伸びすぎてしまったときに行う作業なので、見た目に問題なければ無理にやる必要はありません。

切り戻しを行う場合は、花を咲かせたい高さの少し下から切ると、きれいな形を保つことができるでしょう。

生育期に切り戻せば約1ヵ月程度でお花を咲かせてくれるので、梅雨の時期に切り戻しておくと夏に元気なゼラニウムを楽しめるはずです。

ゼラニウムの育て方でよくある質問

ゼラニウムの基本的な育て方についてご紹介してきましたが、育てていくとまだまだ疑問が残るかと思います。そこで、今回はゼラニウムを育てるにあたってよくある質問について解説していきます。

ゼラニウムに合う鉢はある?

ゼラニウムは鉢植えでも地植えでも育てることができます。しかし、鉢植えで育てるほうが天気や四季によって育てる環境を変えることができるためおすすめです。

なかでもおすすめなのが「プランター」です。

ゼラニウムを上手に育てるには、根が伸びるスペースの確保が大切になります。そのため、しっかりと深さを確保できるプランターを選ぶと良いでしょう。

害虫の被害について

ゼラニウムが被害に合いやすい害虫は以下の通りです。

  • アブラムシ
  • スリップス
  • ヨトウムシ
  • ハマキムシ

これらの害虫がついているのを放置していると、ゼラニウム全体が弱ってしまったりウイルスに感染してしまう可能性があるため、予防と早めの処置が必須です。

見つけた場合は、殺虫剤を使ったりして早めに取り除いてください。なかなか取れない場合は、歯ブラシで擦って取るのもおすすめです。

上記で紹介した虫は水を嫌う特徴もあるため、こまめな葉水が予防に効果的です。

まとめ

ゼラニウムは原産地が温かい地域であるため、日本の真夏でも耐えることができることが判明しました。しかし、西日や直射日光は強く当たると葉に影響を与えてしまうことがあるため、注意しましょう。

また、風通しも育てていくうえで重要となってくるポイントです。風通し通い場所は、害虫の発生も防ぐことができるので、ぜひ置く場所に注意してゼラニウムを育ててみてください。