4月中旬から5月ごろに見ごろを迎えるネモフィラ。この記事ではブルーだけではないネモフィラの色や、様々な花言葉、自分で育てる際の注意点や、絶景のネモフィラ畑を楽しめるスポットを紹介しています。

ネモフィラは春ごろになると、澄んだブルーの花を咲かせる花です。

本記事ではネモフィラについての基礎知識や花言葉、自分でガーデニングする際の注意点などを紹介します。また、記事の最後には絶景のネモフィラ畑が見れるスポットを紹介しているので、ネモフィラを育ててみたい!切り花として飾りたいという方は、是非ご覧ください。

ネモフィラとは?

ネモフィラはムラサキ科ネモフィラ属、北アメリカ原産の一年草です。4月中旬から5月上旬にかけて開花する、澄んだブルーの花びらが美しい、とても可憐な花です。日本ではインシグニスブルー、ファイブスポットといった種類が有名で、ひたち海浜公園のネモフィラ畑が有名です。ファイブスポットは白い花びらの先に紫の点が入る柄が特徴です。

 

ネモフィラ(瑠璃唐草)の由来

ネモフィラは1877(明治10)年に日本に伝わりました。原産地の北アメリカからヨーロッパを経由したと言われています。日本ではその花びらの色と葉っぱの形から瑠璃唐草(るりからくさ)と呼ばれました。花びらが瑠璃色で、葉っぱが唐草模様に見える形をしていたからです。なお、ネモフィラという名前はギリシャ語の「nemos(小さな森)」と「phileo(愛する)」という単語から由来しており、「小さな森を愛する」という意味を持っています。

 

ネモフィラの花言葉

ネモフィラの代表的な花言葉は「どこでも成功する」です。これは、北アメリカからヨーロッパに伝わった際、現地でもしっかりと根付いたことに由来しています。また、その可愛らしい見た目から「可憐」という花言葉も持っています。

実はネモフィラの色はブルーだけではなく、色によって下記のように花言葉も変わります。

ネモフィラの色 花言葉
あなたを許す、清々しい心
成功
紫・黒 愛国心、荘厳

青の花言葉、「あなたを許す」は、ギリシア神話に残る一人の女性の悲恋の物語が由来となっています。

 

ネモフィラの花を育ててみよう!

ネモフィラはその育てやすさから、日本でもガーデニングの人気が高まりました。

草丈は10cm~20cmと低めで、横に広がる性質を持ち、一株でたくさんの花を次々と咲かせていきます。そんなネモフィラの育て方についてご紹介します。

種から育てる場合

発芽に適した気温は18~20℃です。通常、種まきの適期は10月ですが、寒冷地の場合は春になり、気温が暖かくなってからまくと良いでしょう。庭や花壇に直接まく場合は、土に直線の溝をつけ、その溝の中に1cm程度の間隔をとって蒔いてください。横に広がって生育する性質があるため、溝と溝の間は10cmほど離れているのが理想的です。

 

苗から育てる場合

苗は2~3月頃に流通します。弱々しく細い苗は避けて、がっしりと締まっている健康的な苗を選びましょう。

ネモフィラは繊細な植物で、根が痛むと生育に大きく影響します。庭や花壇に直接植えつける場合は、根鉢より一回り大きい穴を掘って植えつけ、根を崩さないように注意してください。また、苗と苗の間は10cmほど空けてください。

 

ネモフィラの正しい育てかた

ネモフィラは水はけの良い、ふかふかとした土壌を好みます。庭や花壇に直接植える場合は土を耕し、腐葉土をよく混ぜ込んでおきましょう。

鉢植えにする場合は水はけを良くするため、赤玉土(小粒)と腐葉土を6:4の割合で混ぜ込んでください。ではその他には、どんなことに注意するべきでしょうか。

 

置き場所

ネモフィラは日当たりが良く、風通しが良い場所を好みます。日当たりが悪いと花つきが悪くなってしまい、風通しが悪いと密集した葉同士が蒸れて生育に悪影響を及ぼします。建物の影になるような場所は避けましょう。また、種まき時期の秋頃と、開花時期の春頃では日当たりが異なることもあるので注意が必要です。一日中日が当たっている必要はなく、午前中に日がたっぷりと当たるような場所でも育ちます。

 

水やり

ネモフィラは湿った場所が苦手です。地面に植える場合も、鉢植えに植える場合は、土が乾燥したら水やりをする程度で問題ありません。地面に植えた場合は、雨がほとんど降らずに乾燥しているといった状況でもないかぎり、基本的に水やりは不要でしょう。

水やりの際は上から全体にかけるようにするのではなく、根元の土に注ぎ込むように与えてください。茎や葉っぱに水がかかりすぎてしまうと、蒸れて病気などの原因になります。

 

肥料

ネモフィラは丈夫な花なので、あまり肥料をあげる必要はありません。地面に植えた場合は、植え付けの際に腐葉土を混ぜておく程度で十分です。鉢植えに関しては、生育の状況を見ながら液体肥料を月に1回、多くても2回与えるだけにしてください。

肥料を与えすぎると、かえって弱々しい、ひょろひょろとした草になってしまい、見栄えがよくありません。

 

ネモフィラの花を育てるときの注意点

ネモフィラは育てやすい花ですが、注意すべき点もあります。性質上、育ちすぎてしまったり、春は病気や害虫が発生する可能性もあります。それらをあらかじめ防いでおくためには、どのような注意をすればいいのでしょうか。

育ちすぎに注意

ネモフィラは成長してくると葉っぱが伸びてきますが、放っておくと伸びすぎてしまいます。この状態を放置しておくと花に栄養がいかなくなってしまい花つきが悪くなってしまいます。また、見栄えも良くありません。これを避けるためには定期的に切り戻しを行いましょう。切り戻しとは、草丈の半分程度の高さに成長した茎を半分に剪定することです。

害虫に気をつける

春になると、アブラムシが発生しやすくなります。気温が上がる前にオルトラン粒を土壌に混ぜ込んでおくことで、発生を防ぎやすくなります。

病気に関しては、うどんこ病と灰色カビ病の発生に注意が必要です。どちらも生育不良を起こしたり葉や茎を腐らせたりする厄介な病気です。風通しが悪いことで発生しやすくなるので、適宜切り戻しを行い、痛んだ部分は速やかに取り除いて予防しましょう。

翌年も楽しみたい場合は種を取っておく

ネモフィラは枯れた後に実が膨らみ、種になります。翌年もネモフィラを楽しみたい場合は、種の袋が割れてしまう前に種を回収しておきましょう。袋が割れて地面に落ちた種が翌年も自然に花を咲かせることもありますが、人の手で植えつけるよりも可能性は低くなってしまいます。しっかりと種を回収して、翌年に備えておきましょう。

ネモフィラの花を楽しめるスポット

自分でガーデニングを楽しむのも勿論良いですが、一面に広がるネモフィラ畑を見てみたくはないでしょうか。日本には素晴らしいネモフィラ畑を見ることができるスポットが三箇所存在します。機会があれば、足を伸ばして絶景を楽しんでください。

国営ひたち海浜公園

国営ひたち海浜公園は、茨城県ひたちなか市に存在する、日本で最も有名なネモフィラ畑を楽しめるスポットです。ネモフィラ畑が広がる「みはらしの丘」はひたちなか市で最も標高が高い場所となっており、海を一望することができます。開花時期には空と海とネモフィラに彩られた丘で、視界一面に美しい青が広がります。「死ぬまでに一度は見たい絶景」とも言われています。

 

山中湖 花の都公園

花の都公園は山梨県にある、もっとも富士山に近い公園です。標高1000mの高原に位置しており、約30万平方メートルの広大な敷地には、5月上旬から6月上旬にかけてネモフィラ畑が広がります。また、4月下旬から5月上旬にかけてはチューリップも開花しており、時期によってはチューリップとネモフィラの両方を楽しむことが可能です。

 

舎人公園

舎人公園は東京都足立区にある、緑豊かな公園です。なんと、都内でもネモフィラ畑を楽しむことができます。2023年にイベント「花と光のムーブメント」を開催し、約5万本のネモフィラが植えられた花畑が登場しました。また、約1000本の桜も植えられており、桃色と瑠璃色の絶景を楽しむことができるかもしれません。

 

まとめ

ネモフィラはとても可憐な花です。しかしその美しさは一時的なものであり、春が終われば枯れてしまいます。それでも、短い期間に輝く儚い美しさには、きっと誰もが魅了されることでしょう。

本記事では、ネモフィラの育て方や注意点について紹介しました。本記事によって、ネモフィラを自分の手で育てたいと思い、その美しさを身近に感じることができれば幸いです。

また、自分で育てることはできなくとも、日本にはネモフィラの美しさを楽しむことができるスポットがあります。遠くまで少し足を延ばしてみたり、都内で咲き誇るネモフィラの姿を見に行くのも良いのではないでしょうか。