ダイヤモンドリリーは優雅で華やかな印象を与えるため、庭先や部屋を彩る花として高い人気を集めています。ヒガンバナに似ている花として有名であり、近年では鉢植えで楽しむ方が増えています。
本記事では、ダイヤモンドリリーの基本データをはじめ、花言葉や育てる際のポイントなどを解説します。
ダイヤモンドリリーの基本情報
ダイヤモンドリリーの基本情報は以下の通りです。
科・属 | ヒガンバナ科ネリネ属 |
英名 | Nerine |
学名 | Nerine undulata |
別名 | ネリネ |
原産地 | 南アフリカ |
草丈 | 30~50cm |
開花時期 | 10~11月 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
主な特徴
ダイヤモンドリリーは彼岸花に似た雰囲気を持ち、花びらがキラキラと輝く美しい花です。別名「ネリネ」とも呼ばれており、開花期間が約1ヶ月と比較的長いのが特徴です。
花の色には白色をはじめ、赤色やピンク色など、さまざまなカラーが存在します。その中でも、白色は純粋さを象徴する色合いであるため、ブライダルシーンの装花として人気を集めています。
ダイヤモンドリリーは比較的耐暑性に優れているものの夏場の過湿には弱いため、雨が当たらず水はけの良い場所での栽培に適しています。
近年は切り花や鉢物としても人気が高まっており、純白や絞り咲きの美しい品種も多数あります。
名前の由来
ダイヤモンドリリーの名前の由来は、花びらの輝きにあります。太陽の光を受けた花びらは、まるでダイヤモンドの粉を散りばめたかのようにキラキラと美しいことからつけられたといわれています。
また、別名である「ネリネ」は、ギリシャ神話に登場するネレイデス(ネーレーイス)に由来してつけられました。
ダイヤモンドリリーが持つ神秘的な魅力と煌びやかな花びらは見た人を魅了し、感動と特別感を与えてくれるでしょう。
ダイヤモンドリリーの花言葉
ダイヤモンドリリーの花言葉は、「輝き」「華やか」「忍耐」「幸せな思い出」「また会う日を楽しみに」「箱入り娘」などです。
「輝き」や「華やか」などの花言葉はキラキラ輝く花びらにちなんでつけられました。一方、「忍耐」や「箱入り娘」などの花言葉は、上述したギリシャ神話に登場するネレイデスに由来しています。
どの花言葉もダイヤモンドリリーが持つ特徴や魅力を表現している言葉といえるでしょう。
怖い意味の花言葉はある?
ダイヤモンドリリーの花言葉は明るさや美しさを象徴する花言葉が多くあり、一般的には怖い意味はありません。しかし、「忍耐」の花言葉は捉え方によってはつらさを感じる言葉であり、我慢せざるを得ない状況という風にも考えられます。
また、「箱入り娘」の花言葉も、大切に育てられたが故に世間知らずで無知といった印象を与えてしまうかもしれません。
ダイヤモンドリリーには怖い意味を持つ花言葉はありませんが、贈る相手にとってはネガティブに感じてしまう可能性があるため、贈る際は注意することをおすすめします。
ダイヤモンドリリーの育て方
ここでは、ダイヤモンドリリーの育て方を詳しく解説します。
各項目ではポイントなども紹介するので、ダイヤモンドリリーを育てる際に役立ててください。
置き場所
ダイヤモンドリリーは日当たりの良く、風通しの良い場所を好む植物です。ただし、夏場の日差しや過湿には弱いため、直射日光を避けた涼しい場所に置くようにしてください。
耐寒性は弱く、寒さが苦手な性質を持っているため、冬の時期はダイヤモンドリリーが冷えすぎないように工夫しましょう。霜が降る寒い地域の場合は、霜対策も併せて行うのがおすすめです。
用土・肥料
ダイヤモンドリリーは水はけと通気性が良い土を好みます。
条件さえ満たしていれば、一般的な培養土でも問題ありません。自作する際は、赤玉土などをベースにした水はけの良い用土を作成しましょう。
水はけが悪い土を使用してしまうと土の中が蒸れて過湿になり、根腐れなどを起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。
肥料に関しては特に与えなくても問題ありませんが、肥料を与える際は花が咲き終わったあとの11~2月の間に月1回程度のペースでカリ分が多い肥料を施してください。
水やり
ダイヤモンドリリーは乾燥した環境を好む性質があるため、水やりは土が乾いたタイミングでたっぷり与えます。上述したように過湿は嫌うので、やや乾燥気味に水を与えるように意識するのがポイントです。
生長が盛んな時期は週に1~2回程度与え、夏場の休眠期間は水やりは一旦止めます。休眠期間に水を与えてしまうと球根が腐ってしまうので注意してください。
植え付け・植え替え
ダイヤモンドリリーは品種によっては地植えでも丈夫に育ちますが、基本的に耐寒性は弱いので鉢植えで育てるのがおすすめです。
植え付ける際は、休眠期間が終わる8月下旬から9月上旬の間に行うと良いでしょう。その際は水はけの良い用土を使用し、鉢の中が過湿にならないようにするのがポイントです。
植え付け後は水を与えず、湿らせた土を活用します。植え付けて間もない期間に水やりを行うと土の中が過湿になり、根が腐ってしまうかもしれません。
植え付けたあとは2~3週間程度は日陰の涼しい場所で管理し、10月ごろに蕾が出始めたら日当たりと風通しの良い場所で水やりを増やします。
植え替えを行う際は、4~5年に1回程度のペースで鉢底から根が出ているのを確認できたら行います。ダイヤモンドリリーは頻繁に植え替えする必要はなく、植え付けや植え替えの手間が少ないため、初心者の方でも安心して育てられるでしょう。
病害虫
ダイヤモンドリリーは比較的丈夫な植物ですが、「赤ダニ」や「菌核病」には注意が必要です。
赤ダニはダイヤモンドリリーの栄養分を吸い取ってしまう害虫であり、放置してしまうとダイヤモンドリリーが弱ってしまう可能性があります。赤ダニを発見したら殺虫剤や霧吹きなどで対処してください。
一方、「菌核病」はカビの影響で発生する病気であり、ダイヤモンドリリーの葉がしおれて枯らせてしまうかもしれません。ダイヤモンドリリーの葉に元気がない場合は菌核病を患っている可能性があるため、土の入れ替えなどで対処すると良いでしょう。
ダイヤモンドリリーに関するよくある質問
ここまでダイヤモンドリリーの基本情報や育て方などを解説してきましたが、疑問点や不明点がある方はいるのではないでしょうか。
最後に、ダイヤモンドリリーに関するよくある質問を2つ紹介するので参考にしてみてください。
花が咲き終わったあとはどうすれば良い?
花が咲き終わったあとは花がらを摘み取ってください。その後、葉が生長して光合成を行い、球根に養分を貯蔵し始めます。
ダイヤモンドリリーは耐寒性が弱いため、冬の間は室内の日当たりの良い場所に置いて管理します。寒い間は土が乾いているのを確認してから水やりを行うのがポイントです。
春になると屋外の日当たりの良い場所で管理し、夏の暑い時期は休眠期に入るので風通しの良い場所で夏越しさせます。
一年を通して上手に管理すれば、秋に再び花を咲かせてくれるようになります。
ダイヤモンドリリーの花が咲かない原因は?
ダイヤモンドリリーの花が咲かない原因として、地植えでそのまま育てたり大きすぎる鉢植えで育てたりすることが挙げられます。そのような環境だと花が咲きにくくなる性質があるため、やや窮屈な環境で育てるのが良いといわれています。
また、肥料の与えすぎや水やりのしすぎなども開花しない原因です。肥料や水やりは、控えめに与えるようにすると良いでしょう。
まとめ
ダイヤモンドリリーは南アフリカ原産のヒガンバナ科の植物で、花びらがキラキラと輝く美しい花を咲かせるのが特徴です。花言葉も「輝き」「華やか」など、見た目にマッチした言葉を数多く持っています。
ダイヤモンドリリーを育てる際は日当たりと風通しの良い場所に置き、水はけの良い用土を使用します。水やりは控えめに、休眠期は止めるのがポイントです。
植え付けや植え替えの手間が少なく初心者でも育てやすい植物なので、本記事を参考にダイヤモンドリリーを育ててみてはいかがでしょうか。