秋の夜長に漂う甘い香りを嗅ぎ、魅了されている方も多い金木犀。秋の風物詩として馴染み深い植物ですが、花言葉の中には怖いイメージを持つ言葉もあり、人に贈っても良いのかと迷っている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、金木犀の怖いイメージがある花言葉をはじめ、一般的な花言葉や金木犀の魅力などを解説します。
金木犀の怖いイメージを持たれる花言葉
金木犀が持つ花言葉の中で、怖いイメージを与えるものは主に3つです。
- 幽世(隠世)
- 誘惑
- 官能美
ここでは、それぞれの花言葉の特徴などを解説します。
幽世(隠世)
金木犀の花言葉の中に「幽世(隠世)」があります。幽世とは、別名「死後の世界」といわれており、死にまつわる花言葉なので怖いと感じる方は少なくありません。
また、金木犀の香りはあの世とつながる香りともいわれているため、怖いイメージに思いを馳せずにはいられないでしょう。
しかし、実際には金木犀が放つ濃厚な香りには邪気や穢れを払う力があるとされており、神社やお寺の庭木として好まれています。風水効果においても、魔除けと運気アップの縁起物とされています。
誘惑
金木犀の花言葉には、「誘惑」という言葉があります。これは、金木犀の心地良い芳香が年齢や性別問わず人を引きつける魅力があり、その特徴からつけられたといわれています。
しかし、香りが強い故に苦手意識を持つ人も一定数おり、遠く離れた場所からも漂う芳香に不気味さを感じさせるかもしれません。
官能美
金木犀の花言葉の一つである「官能美」は、金木犀の濃厚な香りが人を魅了する妖艶さを連想させることに由来します。 そのため、フラワーギフトとして女性に贈る際は、その意味を誤解されないよう注意が必要です。
特に、花言葉に詳しい女性の場合、自分の意図しない印象を与えてしまう可能性があります。 誤解を避けるためにも、花言葉とは別にあなたの真摯な思いが伝わるメッセージを添えることをおすすめします。
金木犀の怖い花言葉の影響?植えてはいけない理由
上述したように、金木犀には「幽世」や「誘惑」といった怖いイメージを持たせる花言葉があり、その影響で自宅には植えてはいけないともいわれています。
しかし、植えてはいけない理由には、花言葉以外にも以下のような要因も関係しています。
大きく育ちすぎる
金木犀は剪定せずにそのままにしておくと、樹高が5m以上になる植物です。大きくなりすぎたからといって強剪定すると、今度は花が咲かなくなってしまいます。
また、建物の近くに植えると根上がりしたときに周囲に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。このような背景があることから、金木犀を自宅に植えてはいけないといわれるようになったのだと想定できます。
ただし、金木犀は比較的ゆっくり生長していく植物なので、2~3回に1回程度剪定すればちょうど良いサイズを保つことが可能です。
香りが強すぎる
上記でも触れましたが金木犀の香りは強く、花が咲いている時期は植えた場所から数十m離れた場所でも香りを感じるほどです。自分では良い香りと思っていても、周辺に住む方も同じように感じるとは限りません。
特に、夜は香りが強くなる性質があり、人によっては不快に感じさせて近隣トラブルの原因になってしまう可能性もあります。
そのような理由から、住宅の近くや人通りの多い場所への植栽は避けたほうが無難といえます。
金木犀の一般的な花言葉
上述した花言葉以外にも、金木犀には「謙遜」「気高い人」「真実」などの花言葉があります。小さな花の印象から「謙遜」、上品な香りから「気高い人」という花言葉がつけられたといわれています。
また、香りの強く離れていても分かることから「真実」という花言葉がつけられました。
その他にも、花の可憐さから「初恋」、香りの良さから「陶酔」といった恋愛に関する花言葉もあります。
金木犀には怖いイメージを与える花言葉だけでなく、素敵な花言葉や恋愛に関わる花言葉も多数持っているため、大切な人へ贈る花ギフトとして選んでも問題ないでしょう。
金木犀の基本情報
金木犀の基本情報は以下の通りです。
科・属 | モクセイ科モクセイ属 |
英名 | Fragrant orange colored Olive、Sweet Olive など |
学名 | Osmanthus fragrans var. aurantiacus |
和名 | 金木犀 |
原産地 | 中国 |
開花時期 | 9月下旬~10月上旬 |
誕生花 | 10月1日、10月6日、10月15日、10月22日、11月2日、11月25日 など |
主な特徴
金木犀はモクセイ科モクセイ属の常緑樹で、原産地は中国です。樹高は5~10mほどが一般的ですが、うまく育てれば10m以上になることも珍しくありません。
9月下旬~10月上旬になると小さなオレンジ色の花を咲かせ、周囲に甘い香りを放ちます。金木犀の芳香は人気が高く、香水やアロマオイル、クリームなどに使われており、日本の三大芳木の一つに数えられています。
名前の由来
金木犀の名前の由来は、オレンジ色の花を「金」にたとえて樹皮の模様が動物の犀の皮膚に似ていることから「犀」の字を用いたことに由来します。
一方、英名の一つであるFragrant Oliveは、良い香りのモクセイ科常緑高木という意味です。金木犀の名前は花言葉と同様に、金木犀の特徴にちなんで名づけられています。
金木犀の香りよる効果
金木犀の香りには、主に2つの効果があるといわれています。
- リラックス効果
- ダイエット効果
金木犀の香りには、β-イオノンやリナロールなどのリラックス効果のある成分が含まれており、ストレス解消や安眠に役立つとされています。
また、金木犀の香りは人間の脳内で分泌されて食欲を刺激するオレキシンを抑制するため、ダイエットにつなげられるといわれています。
金木犀は、心と体の両方に良い影響を与える効果が期待できるため、生活の中に取り入れてみるのも良いでしょう。
銀木犀との違い
金木犀と似た植物で銀木犀がありますが、双方にはどのような違いがあるのかと疑問に感じている方は多いでしょう。金木犀と銀木犀はともにモクセイ科の植物ですが銀木犀が先に誕生し、金木犀はその変種だといわれています。
双方の最大の違いは、花の色です。金木犀はオレンジ色の花を咲かせるのに対し、銀木犀は白色の花を咲かせます。
また、香りは金木犀の強く、花数も金木犀のほうが多くなっています。金木犀と銀木犀を見分けたい場合は、花の色に加えて他の特徴と合わせて確認すると良いでしょう。
まとめ
金木犀は秋の風物詩として親しまれていますが、花言葉の中には「幽世」「誘惑」などの怖いイメージを与える言葉があります。しかし、素敵な意味合いや恋愛に関する意味合いの花言葉もあるため、必要以上に怖がることはありません。
また、金木犀にはリラックス効果やダイエット効果が期待でき、上手に生活に取り入れられればリラックス空間を演出できるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、花言葉に惑わされることなく金木犀の魅力を身近で感じてみてはいかがでしょうか。