アネモネは春の訪れを告げる花のひとつで、ビビットな色合いが特徴的な花です。一輪だけでも十分な存在感を示しますし、花束やフラワーアレンジメントに用いても他の花と馴染みます。そこで今回は、アネモネの詳しい情報と、庭やベランダで気軽にお花を楽しむための方法をまとめて紹介していきたいと思います。
アネモネってどんなお花?
英名 | Anemone |
原産地 | ヨーロッパ南部から東部地中海沿岸地域 |
花の色 | 赤・白・ピンク・紫など多色 |
開花時期 | 2月~5月 |
耐寒性・耐暑性 | 寒さに強く、暑さに弱い |
アネモネはキンポウゲ科の多年草で、球根から茎が伸びで花が咲きます。春先から開花を始め、暖かくなる5月まで開花期が続くので時期をずらして植え付ければ花を長く楽しむこともできます。
アネモネには多数の品種があり、新しい品種も作られ続けているので自分好みの花を楽しめます。
アネモネの名前の由来って?
アネモネという名前はギリシャ語で「風」と「娘」という意味をもった「anemone」が語源で、「風の娘」となります。
神話が数多く残されているギリシャでは、風の神であるゼフュロスと恋仲になった妖精の名前が「アネモネ」と呼ばれており、「anemone」という語源もそこからきています。どちらが先に名付けられたかははっきりしていませんが、花のアネモネがギリシャ神話に由来しているということは代わりありません。
アネモネの花言葉にはどんな意味がある?
アネモネにも他の花と同じように花言葉があります。しかしアネモネには多くの品種があり、花の色によってそれぞれ花言葉が付けられています。花言葉は色によっても違います。ここでは花言葉を詳しく紹介していきます。
アネモネ全体の花言葉は?
アネモネ全体を指して使われる花言葉は「儚い恋」「薄れゆく希望」「嫉妬による無実の犠牲」など少しマイナスなイメージが多くあります。
これはアネモネの語源にもなったギリシャ神話が悲しい話になっていることに由来します。アネモネ自体も見る人によっては悲しい雰囲気を感じるのでそのイメージになっているのかもしれません。
アネモネには色別にも花言葉が!
・赤 「君を愛す」
情熱的な赤色にぴったりな花言葉です。愛する人に一輪だけ贈るときには、ぜひ赤色を選びたいですね。
・白 「真実」・「希望」
清廉潔白なイメージのある花に合った花言葉で、お祝いや贈り物に使われます。
・紫 「あなたを信じて待つ」
落ち着いた雰囲気のある紫には純粋な花言葉があります。
・青 「固い誓い」
爽やかな青は大切な人との記念に贈るのにぴったりです。
アネモネのお花はにはどんな品種・種類がある?
アネモネの花の形といえば、大きな花弁と中心が黒っぽいのが特徴的ですが、これ以外にも品種があります。また、ビビットカラーが多かったアネモネですが、最近はパステルカラーなども展開しておりアレンジメントにも幅が広がります。ここではアネモネの品種、種類を紹介していきます。
デ・カン
アネモネの代表的な品種で、19世紀にフランスで作られた歴史ある品種です。大きな花弁が10枚前後付き広がって咲き、一重咲きと八重咲きがあります。
1つの茎に1つだけ花を付ける一輪咲きなので、生花や花束などにもよく用いられます。花の色自体は複数ありますが、一輪に複数色が混合することはなく自分の好きな組み合わせを楽しめます。
モナリザ
モナリザはデ・カンに比べると花弁が薄くやや波打っているのが特徴です。大きな花でありながら主張しすぎない上品なイメージをもたれることが多く、冠婚葬祭でもよく使われており、カラーは紫や青系が人気です。
鉢植えでも楽しむことができますが、草丈が50cmを超えるので庭でガーデニングを楽しむ方に人気の品種です。
ミストラル
近年人気が高まっている品種です。大きな特徴は、豊富なパステルカラーの花弁です。単色であることが多いアネモネはビビットなはっきりした単色が一般的ですが、ミストラルはグラデーションがかった淡い色合いになっています。
淡い色合いで、黒い中心の組み合わせはデザインとしても人気で花屋でも多く取り扱う品種です。
アネモネを元気に育てるためのコツ
アネモネをきれいに咲かせるためにはちょっとしたコツがあります。慣れれば、1つの球根で何度も花を咲かせることも可能です。ここでは、 アネモネを元気に育てるためのコツを紹介しますので上手に育てて、色とりどりのアネモネを楽しみましょう。
元気に育てるための環境づくり
アネモネは、日当たりが良く風通しの良い場所を好むので、屋外栽培が基本です。冬の寒さには強いのですが霜が降ると弱ってしまうので霜に注意します。夏場の暑さにはとても弱いので、高温になる前に球根の状態で保管します。球根の掘り上げを行う場合は、掘る前に栄養を与えておくことで次に植えたときにもきれいに生育してくれるでしょう。
水やり
アネモネは乾燥地帯の花ですので乾燥気味に水やりを行います。水やりの頻度は、少なめで問題ありません。
特に鉢植えする場合は、土の表面が乾燥するまで水やりは不要です。乾いた場合は底から水が流れるまでたっぷり与えます。
花が終わったら夏に向けて土を完全に乾かして保存し、秋になったら再度水やりを行いましょう。
肥料
花をたくさん咲かせたいなら、肥料を十分に与えましょう。
アネモネは、頻繁に与えることできれいな花がたくさん咲くようになります。
特に花を付ける前は2週間に1度の目安で、薄めた液体肥料を与えると花付きが良くなります。花が咲いた後は、肥料を控えめにして球根の育成を行います。置き肥の場合は株元にまいておきます。
花が終わり、葉も枯れてきたら肥料を止めて休眠期に向けて土と球根を乾燥させます。
植え替え
アネモネは、花が終われば球根の状態で休眠させますので、他の鉢や場所に植え替えたい場合は秋頃に行います。
球根の掘り上げは必須ではありませんが、花が終わった後はできるだけ触らず秋になってから動かしましょう。
植え付けは5cmほどの穴に植えます。上下を間違わないように確認しながら植えてください。球根から購入した場合は説明書を取っておくことをおすすめします。
アネモネの花は花束などの贈り物にもおすすめ!
アネモネは、さまざまなシーンに使える花です。
アネモネ自体の花言葉は切ないものがありますが、色ごとには良い意味をもつ花言葉も多いので活用していきましょう。恋人や家族に贈るときは、愛情をストレートに伝える赤いアネモネを一輪、または赤系のアレンジメントがおすすめです。他の花と組み合わせる場合も赤は愛情系の花言葉が多いので取り入れていきましょう。結婚祝いなどで渡す場合は、「真実」の花言葉をもっている白と「あなたを信じて待つ」という花言葉をもっている紫を組み合わせればデザイン的にもきれいです。
迷ったらアネモネを取り入れよう
可愛らしく存在感のあるアネモネは、自分で楽しむことはもちろん、大切な方へのプレゼントにもおすすめできるお花です。
アネモネは、大きな花弁と中心が黒っぽいのが特徴的ですが、そのほかにもいろいろな種類があります。
アネモネをきれいに咲かせるためにはちょっとしたコツがありますが、コツさえ掴めば誰にでも簡単に育てることができるお花です。
さまざまなシーンで使用されることも多く人気があります。贈る花に迷ったときはアネモネを贈るのをおすすめします。