母の日の贈り物として古くから親しまれているカーネーションは、5月になるといろいろなお店で販売されているのを目にしますよね。何枚も花びらを重ねるその姿は、非常に美しく魅力的です。

そんなカーネーションですが、自分でも育てることができることをご存知でしょうか。

育て方さえ知っておけば、誰でも簡単にカーネーションを育てることができますよ

この記事では、カーネーションの正しい育て方や、植え付け方などを徹底解説していきます。

 

カーネーションの基本情報

まずはカーネーションの基本情報を見ていきましょう。

植物名 カーネーション
学名 Dianthus caryophyllus
英名 Carnation
和名 麝香撫子
別名 オランダナデシコ・オランダセキチク
科名 ナデシコ科
属名 なでしこ属
原産地 西アジア・ヨーロッパ
花色 赤、ピンク、白、黄色、オレンジ、紫、緑、複色
開花時期 4月〜6月・9月〜10月

 

特徴

ナデシコ科なでしこ属のカーネーションは、西アジアやヨーロッパを原産とする植物です。一般的に出回っている花の色は「赤やピンク」ですが、ほかにも「紫」や「緑」など、珍しい色の花を咲かせる品種もあります。

多くのお花は1年に1度花を咲かせますが、カーネーションは1年に2度お花を咲かせてくれるので、1年を通しても楽しく育てることができるお花といえるでしょう。

耐寒性や耐暑性にも強いので、四季がある日本でも上手に育てることができる品種です。

 

カーネーションの基本的な育て方

カーネーションを上手に育てるには、以下のポイントに注目する必要があります。

  • 置き場所
  • 水やり
  • 肥料

この3つは、植物を育てるために必ず覚えておきたい大切なポイントです。それぞれを詳しく解説します。

置き場所

カーネーションは基本的に日当たりがよく、風通しの良い場所を好みます。花がキレイに咲くまでは日差しが大切になってくるので、なるべく日光の当たる場所で管理をしましょう。花が咲ききったら室内の明るい場所でも育てることができます。

ただし、高温多湿の状態にさらしているとカーネーションが弱ってしまうので、真夏の直射日光は避けたほうが良いでしょう。

 

水やり

水やりは、土の表面が乾いたタイミングで行うのが好ましいです。日差しが弱い冬の時期は4〜5日に1度、日差しが丁度よい春や秋の時期は2〜3日に1度、日差しの強い夏は1日に1〜2回を目安に水やりをしてください。これらはあくまで目安なので、植木剤を触って乾いていると感じたら、水やりをしても問題ありません。

水やりを行う場合は、花や蕾にかからないようになるべく根元に水をかけるようにしましょう。

 

肥料

カーネーションには、花を咲きやすくするリン酸を多く含んだ「草花用」の肥料が必要です。

市販の液体肥料か緩効性肥料を、3〜7月と9月〜10月にかけて与えてください。夏や冬はカーネーションが弱っていたり休止期に入っているので、肥料は必要ありません。

この時期に肥料を与えてしまうと、栄養過多で枯れてしまうことがあるので注意が必要です。

 

カーネーションの植え付け方法

カーネーションの植え付けは3〜6月または、9月〜10月に行うのがふさわしく、植え付けの方法は2つあります。

  • 地植え・・・地面に直接植える方法
  • 鉢植え・・・鉢植えを使用して植える方法

どちらも問題なくカーネーションを育てる事ができるので、自分に合わせた植え付け方法を選択すると良いでしょう。ここでは、カーネーションの植え付け方法を、別々にご紹介します。

 

地植えの場合

地植えで育てる場合は、できるだけ日当たりの良い場所に植えるのがベストです。

鉢植えと違って後から場所を移動させることはできないので注意しましょう。

手順は以下の通りです。

  1. 土に腐葉土と堆肥を混ぜる
  2. 複数植える場合は隣と30cm程度離して穴を掘る
  3. 育苗ポットから中身を取り出して穴え植える
  4. 水やりを行う

地植えを行う2〜3週間前に、腐葉土と堆肥を土に混ぜる作業を行ってください。

すべての作業が終わったら、たっぷりお水を与えることがポイントです。

 

鉢植えの場合

鉢植えの場合は、育苗ポットよりも一回り大きい鉢を準備します。カーネーションの植え替えは2〜3年に1度必要になってくるので、その都度前の大きさよりも大きなポットを選ぶようにしましょう。手順は以下の通りです。

  1. 鉢植えに底石・土・緩効性肥料を入れる
  2. 鉢の真ん中に穴を空ける
  3. 空けた穴に育苗ポットから出した苗を植える
  4. 土をかぶせる
  5. 水やりを行う

植え替えが終わったら、地植え同様にたっぷりの水やりを行います。根が定着するまで2週間ほどかかるので、その間は日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。

 

カーネーションの種類と咲き方の違い

カーネーションの種類には大きく分けて2つあり、複数の花茎を持つ「スプレー咲き」と、1つの花茎に1輪の花を咲かせる「スタンダード」が主流です。

さらに、花びらの特徴から品種を見分けることができます。花びらの特徴を知っておくことで、自分の好みのカーネーションを育てることができるでしょう。ここでは、カーネーションの主な3つの種類をご紹介します。

 

剣弁咲き

縁に細かくギザギザの模様が入っているカーネーションで、最も流通している品種です。

母の日によくお店で見るカーネーションはこのタイプが多い傾向があります。

 

丸弁咲き

花びらが丸いタイプのカーネーションです。剣弁咲きと比べて可愛らしい雰囲気のお花なので、ふんわりした雰囲気のカーネーションを育てたい人に人気があります。

 

スター咲き

上から見ると星型のように見えることから「スター咲き」と呼ばれるようになった品種です。

スプレー咲きのカーネーションに多く見られる種類で、花びらが尖っている特徴があります。

 

カーネーションを育てるときによくある疑問

カーネーションを育てていると、様々な疑問が生まれてくるでしょう。

ここでは、よくある3つの疑問について解説していきます。

 

カーネーションは植えっぱなしでも大丈夫?

カーネーションは植えっぱなしでも、来年もキレイな花を咲かせることができます。

ナデシコ科の多年草なので、管理が良ければ何年でも楽しむことができるでしょう。しかし、雨に弱いため、梅雨の時期の管理が重要になってきます。

また、鉢植えの場合は2〜3年に1度植え替えを行うと、より元気なカーネーションを楽しむことができそうです。

 

カーネーションに付きやすい虫は?

カーネーションには「アブラムシ」が集まりやすいので注意が必要です。特に、春や秋の涼しい時期に発生しやすいので、見つけたらなるべく早めに除去するのがおすすめ。

放置してしまうと、アブラムシの排泄物などが原因で、カーネーションが病気にかかってしまうことがあります。

酢を原料とした殺虫剤であれば使用できるので、アブラムシが付く前に散布させておくと良いでしょう。

 

カーネーションが枯れてしまう原因

カーネーションが枯れてしまう原因は主に3つです。

  • 根腐れ
  • 日照不足
  • 湿気過多

根腐れとは、目に見えない根の部分が腐ってしまう病気で、土から独特な香りがするのが特徴です。主な原因として、水のあげすぎが考えられます。水やりも大切ですが、過度な水やりはカーネーションを炒めてしまうので、土が乾いたのを確認してから水やりをして根腐れを防ぎましょう。

次に考えられるのは「日光不足」です。カーネーションは日光が大好きな植物なので、日照不足など蕾のまま花が咲かなかったり、花が枯れてしまうことがあります。

なるべく日当たりの良い場所で管理するようにしましょう。

葉っぱの色が黄色くなってきた、茎が曲がってしまったなどの場合は、湿気でカーネーションが弱ってしまっている可能性があります。風通しの良い場所で管理すれば回復することができるので、置き場所を今一度見直しましょう。

 

まとめ

カーネーションにもさまざまな種類があることがわかりました。

せっかく自分で育てるのであれば、珍しい品種を育ててみるのも良いかもしれませんね。

育て方はとっても簡単なので、初心者でも上手に育てられる可能性が高いです。

置き場所や水やりの頻度に注意して、素敵なカーネーションを育ててみてください。