かぐわしい香りを漂わせる冬の花、蝋梅(ロウバイ)。今回は、蝋梅(ロウバイ)の特徴や花言葉、育て方についてまとめました。花をつけるまでに時間はかかりますが、初心者でも比較的育てやすい蝋梅(ロウバイ)は、木を育てたいと考えている人にとって最適な植物なのではないでしょうか。

 

蝋梅(ロウバイ)ってどんな花?

蝋梅(ロウバイ)は、溶かしたロウソクでコーティングした梅に似ていることから蝋梅(ロウバイ)と名づけられました。または、旧暦の12月の朧月(ロウゲツ)に咲くことから名づけられたという説もあります。

 

梅に似ていますが梅と種類が違い、蝋梅(ロウバイ)科蝋梅(ロウバイ)属です。ちなみに梅はバラ科サクラ属で同じ低木です。開花時期以外では低木のため目立ちませんが、12月から2月の開花時は小ぶりな黄色い花を咲かせて冬の季節を楽しませてくれます。

 

香りがよいため生け花や茶道・華道、庭木としても愛されています。

 

蝋梅(ロウバイ)の基本情報

 

名前/別名 蝋梅(ロウバイ)/唐梅(カラウメ)・南京梅(ナンキンウメ)
花の色・大きさ 黄色・小花
花言葉 慈愛・ゆかしさ・先導・先見
開花時期 12月~2月
高さ 2~5m
原産国 中国

 

冬に咲くためウメ、スイセン、ツバキ、蝋梅(ロウバイ)は雪中四花(せっちゅうしか)と呼ばれています。蝋梅(ロウバイ)は暑さや寒さに強く、日本の気候と相性が良いので初心者でも育てられる植物です。

蝋梅(ロウバイ)の特徴

蝋梅(ロウバイ)は蝋でコーティングしたように外見が滑らかで半透明の黄色の花弁をしてます。品種ごとに異なりますが、花弁の中心は赤黒いのが特徴です。花弁や蕾を乾燥させ抽出したエキスは薬として痛み止めや解熱、火傷に効果があります。

 

葉は楕円形で先がとがっており、濃い緑です。蝋梅(ロウバイ)の実はかりんの実に似た形をしています。実の中には小豆ほどの大きさの種がありますが、毒が含まれているので口にすると中毒症状になり呼吸困難を起こします。

 

春ごろに実をつけるため、小さなお子様やペットを散歩をするときは口にしないよう気を付けましょう。

 

蝋梅(ロウバイ)の花言葉

蝋梅(ロウバイ)の花言葉には、慈しみ・ゆかしさ・先導があります。

 

  • 「慈しみ」:蝋梅(ロウバイ)の香りには心を落ち着かせる効果があるため、慈愛を連想させる

 

  • 「ゆかしさ」:寒い冬の季節に咲き、雪の中から控えめに花をのぞかせ、かつ花弁が下を向くことから奥ゆかしさが連想される

 

  • 「先導」「先見」:年の変わり目に先駆けて咲くために先導・先見が連想される

 

他にも愛情・やさしい心など慈悲深い花言葉が並べられます。

 

蝋梅(ロウバイ)の育て方

蝋梅(ロウバイ)は日本の気候に適しており、初心者でも育てやすい植物です。ですが、手を加えることにより蝋梅(ロウバイ)の成長や花の付き具合が変化します。

 

ではここからは、以下のことについて紹介していきます。

 

  • 置き場所
  • 水やり
  • 用土
  • 肥料

 

地植えと鉢植えで育て方が変化するので、ポイントを抑えて育てていきましょう。

 

置き場所

蝋梅(ロウバイ)は、日当たりが良いと花がつきやすい植物です。湿気に弱いため、日当たりが悪い場所は成長速度が下がり、根腐れを起こし枯れる可能性があります。枝葉が多く株に日が当たらない場合は、適度に剪定し日当たりを良くするように調整しましょう。

 

地植えの場合は水はけの良い腐葉土を混ぜ、日が当たる場所へ植えると良く育ちます。鉢植えの場合も同様に日向へ置き、土が乾燥しやすくなるためウッドチップなどで乾燥を防ぐとよいでしょう。

 

水やり

蝋梅(ロウバイ)の地植えするとき、水やりは根付くまでは必要ですが、根が落ち着くと地面から水分を吸収するため必要なくなります。ですが、乾燥に弱いため蝋梅(ロウバイ)の根元には草花やワラ、ウッドチップなどを配置し乾燥を防ぐようにしましょう。

 

鉢植えでは地面から吸収できないため、鉢底から水が漏れる程度が適切な量です。鉢植えも同様に乾燥を防ぐためにウッドチップなどで土の表面を守ると元気に育ちます。

 

用土

蝋梅(ロウバイ)は湿度の高い環境に弱いため、水はけを良くしましょう。地植えでの場合は場所を変えずに周辺の土を入れ替える程度にし、腐葉土が多めの土を混ぜ入れると水はけが良くなります。

 

鉢植えの場合は小粒の赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜ合わせて水はけの良い環境を作ります。植え替え、植え付け時期は開花時を避けて11〜12月、2〜3月に行うと良いでしょう。

 

肥料

蝋梅(ロウバイ)は肥料をあまり必要としませんが、成長時期4〜5月か8月下旬〜9月上旬に肥料を与えると花や芽がよりつきやすくなります。与える肥料は緩効性肥料や固形の油かすなどの有機質肥料を使いましょう。

 

液体肥料より固形肥料をすすめる理由は、肥料がゆっくり伝わりやすく植物にやさしいためです。窒素の多い肥料は葉を増やし、花芽が出にくくなるので肥料の成分表を確認してから与える必要があります。

 

剪定

蝋梅(ロウバイ)の成木になるとあまり手入れを必要としませんが、若木の間は樹形が整わないため剪定が必要です。

 

落葉後11月と開花後3月に剪定し、長い枝は花が付きにくいので枝を根元を切るか、もしくは枝の根元から20cm程度残すと良いでしょう。

 

内側へ伸びている枝葉も剪定すると、日当たりが良くなり成長速度も上がり花がつきやすくなります。

 

【よくある質問】蝋梅(ロウバイ)について

蝋梅(ロウバイ)は丈夫な植物ですが、土の状態などにより成長速度も変わっていきますので、手をかければかけるだけ花芽をつけて楽しませてくれるでしょう。

 

蝋梅(ロウバイ)を育てる上で気になる点を以下にピックアップしました。

 

  • 蝋梅(ロウバイ)の増やし方
  • 開花までの期間
  • 蝋梅(ロウバイ)がかかりやすい病気

 

以下にて、詳しく内容を見ていきましょう。

 

蝋梅(ロウバイ)はどうやって増やす?

種まきか挿し木の二通りあります。蘇秦蝋梅(ソシンロウバイ)種は挿し木にして問題なく成長しますが、他の品種は花のつきが悪い可能性があります。

 

種まきの場合は蝋梅(ロウバイ)の実が完熟した夏頃に種を採取し、すぐに蒔きましょう。遅くなると発芽しにくくなるためスピードが重要になります。

 

雪や寒さの影響が少ない場所で霧吹きなどで土を湿らせた状態にすると、春に発芽します。

 

蝋梅(ロウバイ)は花が咲くまでに何年かかる?

葉が3〜5枚程に成長したタイミングで鉢に植え替え、用土(小粒の赤玉土と腐葉土8:2の割合)を混ぜ合わせ、発芽後6〜10年で開花し始めます。

 

蝋梅(ロウバイ)がかかりやすい病気は?

蝋梅(ロウバイ)は厳しい環境の中育ったので、病気になりにくく丈夫です。ですが、葉が黒い斑点や黄色く変色してきた場合は土の状態が悪いことを知らせています。

 

用土を入れ替えて水はけの良い環境に整え、乾燥防止にウッドチップなどを敷いて日当たりの良い場所へ移しましょう。

 

また、開花時期には鳥が花や蕾を食べに来るので植木鉢の場合はネットをかぶせるなどの対策が必要です。

 

まとめ

初心者でも育てやすい特徴をもつ蝋梅(ロウバイ)は、冬に開花する優しい香りのする花です。日向で育てる植物で、地面にウッドチップを敷き乾燥防止をするとよいでしょう。また、湿気が多いと枯れやすいため、水はけのいい環境に植えるようにしてください。

 

発芽から6~10年経たないと花が咲かない植物でもあり、根気強く育てる必要があります。ただ、丁寧に育てて、いざ花が咲いたときの喜びはひとしおなのではないでしょうか。美しい花をつける蝋梅(ロウバイ)は、多くの人に愛される花だといえるでしょう。