クリスマスローズは、名前に「クリスマス」が入っているので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。多くのお花が温かい時期に花を咲かせるなか、クリスマスローズは冬に開花時期を迎えます。控えめなお花が特徴ですが、どんな花言葉が込められているのでしょうか。この記事では、クリスマスローズの花について詳しく解説します。

 

クリスマスローズの基本情報

クリスマスローズの基本情報を見ていきましょう。

 

植物名 クリスマスローズ
和名/英名 寒芍薬/Hellebore, Christmas rose
学名 Helleborus
別名 レンテンローズ
科名/属名 キンポウゲ科/ヘレボルス属
原産地 ヨーロッパ、西アジア
開花時期 1月~3月
耐寒性/耐暑性 強い/普通

クリスマスローズは、ラナンキュラスやアネモネと同じキンポウゲ科で、1〜3月に様々な色のお花を咲かせます。主な花の色は以下の通りです。

  • ピンク
  • 複色

白っぽい色が多いイメージですが、実はたくさんの花色がありますね。

原産地はヨーロッパや西アジアとされています。

日本ではヘレボルス属のお花はすべて「クリスマスローズ」と呼んでいますが、本来のクリスマスローズは「ヘレボルス・ニゲル」を指す名前です。

名前の由来

クリスマスローズという名前は、クリスマスの時期にバラのような花を咲かせることが由来です。

ほかにも、日本では「寒芍薬(カンシャクヤク)」や「初雪起こし(はつゆきおこし)」と呼ばれています。雪のふる季節に花を咲かせることから、上記の名前がつけられました。

どの名前も花が咲く季節が関係していますね。

花言葉

クリスマスローズには、下記の花言葉がついています。

  • 「追憶」
  • 「私を忘れないで」
  • 「慰め」
  • 「私の不安をとりのぞいてください」

これらの花言葉は、中世のヨーロッパまでさかのぼります。戦場に行く男性が、村に残された恋人たちに贈ったお花がクリスマスローズでした。そういった背景から、上記のような花言葉になったそうです。ほかにも、うつむき気味な花姿が由来で、控えめな花言葉が生まれたとされています。

怖い花言葉があるって本当?

実はクリスマスローズには「中傷」という怖い花言葉も存在します。クリスマスローズ属するヘレボルス属には「ヘレボルス・ニゲル」という品種があり、この名前を日本語に訳すと「死の食べ物」「黒」という意味になります。

ヘレボルス・ニゲルの根には毒があり、その毒を使って戦場で相手を弱らせていたことから、「中傷」という花言葉が付きました。

あまり知られていない花言葉ではありますが、相手にクリスマスローズを贈るときは誤解のないように、メッセージカードや良い花言葉で贈ることを伝えると良いでしょう。

有茎種と無茎種の違い

クリスマスローズには有茎種と無茎種が存在します。長い茎を持つクリスマスローズが「有茎種」、短い茎を持つクリスマスローズが「無茎種」です。

それぞれの詳しい特徴をご紹介します。

有茎種

有茎種は茎の先端に花を付けるのが特徴で、茎が立ち上がることで葉を発展させるのが特徴です。

背丈は品種によって異なるため、10cm程度のコンパクトなものもあれば、100cmを超える大きな品種も存在します。

無茎種

無茎種は茎を持たないのが特徴で、根茎と呼ばれる場所に直接花を付けます。一般的に流通するクリスマスローズの多くはこの無茎種で、根が太く丈夫です。

クリスマスローズの品種によっては、両方の特徴を持ち合わせる中間種があるため、判断がつきにくい場合があるため、よく観察をすると良いでしょう。

クリスマスローズの苗選びのコツ

クリスマスローズの苗は、基本的にホームセンターなどで手に入れることができます。丈夫に育てるためにも、できるだけ丈夫な苗を選びたいですよね。そこで、丈夫なクリスマスローズの苗を選ぶためにどんな特徴に着目したらよいのか見ていきましょう

  • 1枚1枚の葉が大きく、少ない枚数である
  • 花弁がよく育っている
  • 茎が太い
  • 葉や茎に変色・模様がない

苗の段階で元気に育っている株は、やはり育てやすいという傾向があるようです。

葉の枚数をチェックすることをお伝えしましたが、品種によってはそもそも葉が多いものがあるため、同じ品種で葉の量を比べると良いでしょう。

クリスマスローズの花を楽しむための育て方

クリスマスローズは冬に旬を迎えるお花です。そのため、耐寒性に強く、日本の寒い冬も乗り越えることができるでしょう。

ここでは、クリスマスローズの基本的な育て方について解説していきます。

置き場所

クリスマスローズを鉢植えで育てる場合は、季節によって置き場所を変える必要があります。日光があまり強くなく涼しい10〜4月の時期は、日当たりがよく風通しの良い場所で管理しましょう。一方で、日差しが強く気温が上がりやすい5〜9月の時期は、直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。

地植えで育てる場合は、水はけと風通しの良い場所に植え付けることが大切です。なるべく直射日光が当たらない場所が好ましいですが、地植えは移動させるのが非常に厳しいため、木陰になりやすい場所を選ぶと良いでしょう。

水やり

植木鉢で育てる場合は、生育期に入る10〜4月にはたっぷり水を与えます。表面の土が乾いてきたと思ったらお水を与えましょう。

一方で、クリスマスローズの成長が落ち着く5〜9月は、やや乾かし気味に管理をします。

地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありません。ただし、雨が降らない日が続いたり、クリスマスローズがぐったりとしている場合は、水やりを行っても良いです。

肥料

クリスマスローズは、生育期に入るタイミングで肥料を与えると元気な花を咲かせてくれます。地植えの場合は、10月に緩効性肥料を与えましょう。

鉢植えの場合は、10月・12月・2月に緩効性肥料を与えます。また、緩効性肥料とは別に液体肥料も与えると丈夫に育ってくれるはずです。

植え替え

植え替えを行うタイミングは、生育期でなおかつ花を咲かせる前の10〜12月がベストです。クリスマスローズは根の成長が早くすぐに根詰まりを起こしてしまうので、毎年植え替えるようにしましょう。

地植えの場合は植え替えが必要ない場合もありますが、放っておくと根がつまり弱ってしまうため、4年に1度のペースで株分けの作業をおこなってください。

クリスマスローズの花が終わったあとに行う作業

クリスマスローズの花が終わったあとには、以下の作業が必要となります。

  • 花茎を取り除く
  • 古い葉の剪定をする
  • 株分け

それぞれの作業方法を詳しく見ていきましょう。

花を取り除く

クリスマスローズのお花が終わりそうになったら、種が出る前に早めに花を摘み取りましょう。花が長く咲いていることが多い種類ですが、長く咲いていると株が弱ってしまい次の年にあまり花を咲かせられないということがあります。

そうならないためにも、終わりに近づいてきたら早めに剪定をしましょう。

古い葉の剪定をする

お花を摘み取るタイミングで、古くなった葉も剪定をしましょう。古い葉の剪定は別名「古葉取り」とも呼ばれており、葉を減らすことで株や茎に日光が当たりやすくなります。風通しも良くなるので、害虫や病気の被害を予防する効果も期待できます。

まとめ

クリスマスローズは、日本でも珍しく冬の時期に旬を迎えるお花であることがわかりました。耐寒性が強く日本の寒さにも耐えることができるので、初心者でも育てやすいといえます。しかし、他の植物に比べると根が育ちやすいので、根詰まりに注意しながら管理をしていくと良いでしょう。ぜひクリスマスローズを育ててみてください。